はじめに

 私どものコンサルティングは賃金・人事に特化した、どちらかと言えば少々タイトなコンサルです。もう20年も続けていますが、私がこの仕事に関わり始めた頃と今では状況も随分と変わり、新たに出くわす問題(ご相談)もまだまだ増える一方です。
それらがコンサルティング・マインド、いわば私の好奇心を煽り立て、「惰性でコンサルは出来ない」と囁きます。
 そのような、ちょっと特殊であまり知られていない人事コンサルという仕事に携わり、東西奔走する私の思いつくままを連載いたします。

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2019年11月10日 (日)

四百三十二話 同じ失敗

 新人の指導で、「新人だから、失敗は止むを得ないが、同じ失敗を繰り返さないこと。」をはじめに教えている会社は多いでしょう。大切なことですが、当たり前のことだけに、なかなか腹落ちしません。その理由も合わせて教えるようにしましょう。
 その場合に、同じ失敗をしたときのマイナス面ばかり伝えると委縮しがちですから、プラス面つまり、「同じ失敗をしない」効用から理解して貰うのも一つです。
 つまり、同じ失敗をしない人を上司は次のように評価しているなどです。
 1)その間違いの重要性をよくわかっている。すなわち、仕事に真剣に向き合っている。
 2)上司の指導を良く聞いている。すなわち、教え甲斐のあるやつだ。
 3)繰り返さないよう、対策をたてる力がある。
 4)段取り力、計画力がある。
 5)決めたことをきちんと実行する力がある。
 したがって、同じ失敗を繰り返さない人を上司は「見込みのあるやつ」と期待していることを伝えましょう。
 それともう一つ、伝えておくべき大事なことは、「失敗したら、自分から報告する」ことも合わせて教えておくことです。これについては、別の機会に取り上げます。

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2019年10月21日 (月)

四百三十一話 伸びる新人

 今年の新卒もその力量に、先行きが予想できるような差がそろそろ見え始める頃です。何も仕事のことを知らない入社当初はほぼ同じといえますが、今頃になると覚えの早い遅い、ミスの多い少ない、スピードの速い遅いがよく分かるようになります。性格や地頭の差をよく言いがちですが、差がつく大きな要因として、「情報への対応力」があるように思います。簡単に言うと「素直な人に情報は集まる」というセオリーです。地頭が良くても、「そんなことわかっている」というように、自ら障壁をつくってしまいがちな人、いわばプライドが邪魔するタイプには情報は集まりません。この場合の情報とは、仕事のやり方や商品知識など仕事に関わる全てのことを指しますが、言われたことは取り敢えず素直に聞く人、何にでも興味をもってあたる人に情報は集まると言えます。教える側もそのような素直な人には、もっと教えようとするものです。よって、その積み重ねで次第に大きな差ができてしまいます。
 でも、この差を埋めるのは今ならまだ間に合います。この時期、新人に「仕事の教わり方の基本」をもう一度、指導するのが良さそうです。

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2019年10月11日 (金)

四百三十話 入社後の転職

 日経によると、20代向け転職サービスの登録者のうち、卒業後3年以内の人数は前年対比で3割も増えているとのことです。登録者ですから、実際に転職するかどうかはわかりませんが、就活を再開していると見てよいでしょう。急速に若手人材の流動化が進みそうな気配です。
 中小企業にとって、人材の流動化は由々しき問題です。とくに若手はそうです。苦労して採用した新卒が3年程度で辞めてしまっては、採らなかったほうがマシと言いたくなるでしょう。
 大手はこれまで新卒中心でしたが、トヨタが中途採用を当面は3割に増やし、いずれ5割に持って行くと発表しました。他社も追随することでしょう。年功、終身雇用は崩壊し、流動化は思ったより早く進みそうです。
 中小企業は採用に時間、労力、コストを掛けるよりも、これからは定着にウェイトを置くほうが得策となりそうです。人事戦略を持たざるを得なくなりつつあります。
 

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2019年9月25日 (水)

四百二十九話 高卒新卒採用

 厚労省の発表では20年度の高卒求人倍率は2.52倍(7月末時点)で、大卒求人倍率1.83倍(リクルートワークス発表4月時点)より高く、高卒の採用難はより厳しそうです。新卒の初任給は、これまで大卒が伸びて、高卒は採用方法の違いもあって遅れ気味でしたが、ここへ来て高卒の求人熱が高まり、初任給の上昇率も逆転しはじめています。
 これまでは高卒に継続してエントリーし採用できていた中小企業は、あてにならない大卒と較べて比較的安定した労働市場だったと思われます。けれども、これから大きく変わっていきそうです。現在の高卒採用ルールは50年以上も変わっていない1人1社方式で、高卒者が企業を選択する余地が乏しい特異な採用方式と異議を唱えるところが増えて来たからです。高卒者自身にとっては、実際はそれほど問題がなかったと思いますが、この流れは止まらないでしょう。高卒採用も大卒と同じように自由化してしまうと、大手企業や名前の通った企業が有利になり、多くの中小企業にとっては厳しい状況になりそうです。採用の労力とコストは増々高まることになるでしょう。

🎤 今年の弊グループの親睦会は大阪国際がんセンターの松浦成昭総長に重粒Img_3899Img_3897子線によるがん治療をお話しいただきました。専門的にならず、とてもわかりやすい説明で好評でした。重粒子線治療というのは炭素原子を加速させ、直接がん細胞に照射するもので、巨大な加速施設が必要になり、日本で大都会の真ん中にあるのは大阪だけだそうです。近くにこのような施設があることにあらためて驚いた次第です

 

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2019年9月15日 (日)

四百二十八話 新卒の指導のステージ

   今年の新卒の新人が入社して、もうすぐ半年になります。多くの会社で、新人が携わる一通りの仕事を経験して、本人も仕事や会社がどういうものか、少し見えてきた頃でしょう。最初は無我夢中で取り組んでいた新人も仕事がわかってくると、「なんだ、こんなものか」と思う者も出てきます。その意味では、そろそろ指導のステージを一段、あげるべき頃と言えるのではないでしょうか。ただし、相手に応じてですが。
 新人の指導の原則は、「基本をしっかり教え込む」「良い手本のマネをさせる」のが最初のステージですが、次のステージでは「仕事の面白みを教える」のはどうでしょう。まだ、早いと言う意見もあるでしょうが、そうしないと、優秀な人材ほど辞めかねないのが昨今です。少し前倒しくらいが良さそうです。
 「仕事の面白みを教える」というのは、「少し困難な仕事を任され達成した」、あるいは「お客さんに褒められた」というような体験を与えることです。早い時期でのこのような経験はその人の会社生活の礎となったりするものです。
 せっかくの新卒ですから、指導係はなんとしてでも一人前にしないとなりません。指導係のプレッシャーも半端ではないでしょうが、「仕事の面白み」を与える方策を練りましょう。上手く行けば、「指導の醍醐味」として、指導係にも帰ってくる筈です。

  Photo_20190913114501 🎤 おかげさまで、拙著「人を使うのが上手な人のリーダーのワザ」(明日香出版社) が、また増刷となりました。2015年6月に発行してから、コンスタンスにロングランしています。やはり、人を動かすのに悩む上司は多いようです。
 

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