はじめに

 私どものコンサルティングは賃金・人事に特化した、どちらかと言えば少々タイトなコンサルです。もう20年も続けていますが、私がこの仕事に関わり始めた頃と今では状況も随分と変わり、新たに出くわす問題(ご相談)もまだまだ増える一方です。
それらがコンサルティング・マインド、いわば私の好奇心を煽り立て、「惰性でコンサルは出来ない」と囁きます。
 そのような、ちょっと特殊であまり知られていない人事コンサルという仕事に携わり、東西奔走する私の思いつくままを連載いたします。

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2018年11月12日 (月)

三百九十話 文章力

 営業などでも、話すのは得意だけれども、書くのはちょっと苦手という人は結構いるようです。自分の考えや情報を相手に伝えるのに「話す」「書く」はどうしても必要です。とくに営業などはそういえます。でも、得意な方を伸ばせば良く、得意な方を活用すれば良いのです。ただし、どちらも最低限のスキルは身につけておくべきといえます。よって、まずは「書く力」の基本を会社で学ぶ機会を与えるべきと思います。
 会社で身につけないとならない「書く力」は、ビジネス文章のスキルです。しかも、ポイントは3つしかありません。一つは、はじめにこれから「なに」を説明するかについて書くこと。二つ目は、だらだら長い文章を書かないで短く区切ること。三つ目は、結論を先に書くことです。これだけですから、間違いなく誰もが身につけることができますし、この三つのポイントを身につけると、仕事ができるレベルも格段に上がります。
 大手企業などは昇格のための試験をしますが、関与先でも昇格の区切りとしてレポートを提出させたりしているところは結構あります。ビジネス文章の三つのポイントを身につけさせる良い機会といえます。

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2018年11月 5日 (月)

三百八十九話 40歳定年制

 東大の柳川範之教授等が提唱する40歳定年制も70歳現役が視野に入ってきた現在、現実味を帯びてきました。もちろん、現状では60歳未満の定年制は認められていませんし、法制度が成立するとも思えませんが、実質40歳定年制をとる企業がこれから出て来そうな気がします。新卒から70歳まで一つの会社に勤める、或いは一つの会社が雇用を保証するという社会的コンセンサスは、今後はマイナス面が大きくなっていくでしょう。暗黙の了解としての長期雇用は、多くのものづくり製造業には適したシステムでしたが、すべての会社に当てはめるのにはやはり無理があります。
 現在でも、実質40歳定年制を実施している有名な企業はリクルートです。38歳くらいで、退職金が最大になり、残るか転職や起業するかを迫られます。実際、リクルート出身者が起業し、儲けているスタートアップ企業は多いのです。
 これからは有能な人材を採用するなどの目的で差別化をはかるために、実質40歳定年制を導入する中小企業も出てくるでしょう。その場合、賃金を従来の長期S字カーブではなく、35~40歳くらいをピークに山型に入社後数年後からぐっと高くできるような業種、業態にこそ向いていると思われます。

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2018年10月25日 (木)

三百八十八話 外国人雇用

 国の方針はこれまで、外国人の雇用受け入れについては高度技能者限定にはじまり、特定業種に限って単純労働者も認める方向で、極めてわずかずつ拡げてきました。但し、永住権に関してはほとんど認めていませんでした。理由は、景気の良いときは労働力として必要だが、悪くなっても帰国しないと日本人の雇用を脅かす、治安が悪くなるというものです。実際に他国ではそのようなことが起こり、問題となっていますし、日本でもバブル時に大量に雇用した南米人などがバブル崩壊後にあぶれ、定住したしまったことを政府は失策としてきました。
 けれども、この急激な人不足から国の外国人雇用政策はここへ来て、大きく舵を切りそうです。来年4月に入国管理局は庁(出入国在留管理庁)に格上げとなり、人員を大幅に増やします。また、年内には新たな在留資格の案が示されるでしょう。
 労働組合を代弁する野党は外国人雇用拡大にはもちろん基本、反対です。政府は70歳への継続雇用延長などと合わせて、国会提出となりそうです。

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2018年10月18日 (木)

三百八十七話 企業の賃金カーブ

 現在、65歳以上の高齢者はおよそ3500万人です。同じく、正社員の人数はおよそ3500万人で、拮抗しています。正社員の中には高齢者も含まれていますが、超高齢化社会を従来型の正社員で支えるのはやはり無理がありそうです。正社員の定義を変え、膨らませないとならないので、政府は短時間正社員など、非正規や女性・高齢者の正社員化をしてきました。よって、労働人口の減少をやわらげてはいますが、これからは、さらに65歳以上に働いて貰わないと、もたないのは明らかです。
 雇用年齢を伸ばすのは止むを得ないものの、企業の負担はたいへんいなります。現状でも企業は55歳の賃金ピーク時点の金額を上げていません。初任給や若年層がこのところのベアや最低賃金で上がっているものの、ピーク賃金は据え置きなために、40歳を過ぎると昇給は寝てしまっています。これでは、将来に夢が持てません。さらに継続雇用が70歳までにでもなれば、55歳から70歳まで横這いの賃金が続くことになります。
 もはや、18歳から70歳までの賃金カーブを一つの会社が持つのは無理があると言わざるを得ないでしょう。日本の雇用システムと賃金制度はこれから大きく変わって行きます。

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2018年10月10日 (水)

三百八十六話 有休義務化

 働き方改革法案の一環で来年4月より、有給休暇5日の時季指定の義務化がスタートします。中小企業も延長や特例はありません。実際には10日以上の有休がある者に各人の基準日から1年以内に5日については時季を指定して取らすようになります。5日以上取れないと、30万円以下の罰則もあるようですので、日本企業の有休取得は進むと思われます。
 対応方法としては、計画付与を厚労省も推奨しています。先に有休消化日を決めてしまうものです。
 中小企業が厄介なのは、中途採用比率が高い会社が多く、個別に基準日を設定している点です。各人の基準日から1年で5日以上の義務ですから、管理がたいへんいなりますし、計画付与も一斉付与が難しくなります。
 人不足、コスト、管理の面から、人手に頼る中小企業には逆風が続きます。日本の雇用問題に手を打たないとならないのは確かですが、やりやすいところから手掛ける政府の手法は、そのしわ寄せが中小企業にのしかかっています。

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