はじめに

 私どものコンサルティングは賃金・人事に特化した、どちらかと言えば少々タイトなコンサルです。もう20年も続けていますが、私がこの仕事に関わり始めた頃と今では状況も随分と変わり、新たに出くわす問題(ご相談)もまだまだ増える一方です。
それらがコンサルティング・マインド、いわば私の好奇心を煽り立て、「惰性でコンサルは出来ない」と囁きます。
 そのような、ちょっと特殊であまり知られていない人事コンサルという仕事に携わり、東西奔走する私の思いつくままを連載いたします。

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2019年12月14日 (土)

四百三十三話 中小企業の冬季賞与

 この冬の大阪の中小企業の賞与は、報じられる景況感に反して、意外に悪くありません。大阪シティ信用金庫の資料(大阪府下約1000社、8割が20名以下の中小企業)では、支給する企業割合では65.2%と前年同期より4.2ポイント増え、リーマン後で最も高くなっています。また、支給企業の一人当たり支給額では、平均297,639円とショックの影響がまだ出ていなかったリーマン直後につぐ水準です。支給額を引張っているのは小売、建設、運輸です。しかも、この3業種は「支給に無理をしているか」でも唯一昨年比マイナスです。建設、運輸が好調なのはわかりますが、小売が好調なのは消費が悪くないからといえます。
 リーマン直後も悪くなかったように、賞与はこれまでの景況を反映します。問題は足元とこれからでしょうが、米国は選挙戦後半に向けて景気を上げてくるでしょうし、そうすれば米中貿易戦争は一旦休戦となります。また、来年はいよいよ東京オリンピック開催でムードは盛り上がるでしょう。現在の世評に反して、景気は案外、底堅いように思われます。

🎤 11月は、目標面接の立会い、考課結果の検討、今後の賃金対策等が重なって、半分くらい出張となりデスクワークが溜まりぎみでした。今月は師走ですから後半は出っ放しとなりそうで、順送りで詰まっているデスクワークはどうやら年越しとなりそうです。
 

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2019年11月10日 (日)

四百三十二話 同じ失敗

 新人の指導で、「新人だから、失敗は止むを得ないが、同じ失敗を繰り返さないこと。」をはじめに教えている会社は多いでしょう。大切なことですが、当たり前のことだけに、なかなか腹落ちしません。その理由も合わせて教えるようにしましょう。
 その場合に、同じ失敗をしたときのマイナス面ばかり伝えると委縮しがちですから、プラス面つまり、「同じ失敗をしない」効用から理解して貰うのも一つです。
 つまり、同じ失敗をしない人を上司は次のように評価しているなどです。
 1)その間違いの重要性をよくわかっている。すなわち、仕事に真剣に向き合っている。
 2)上司の指導を良く聞いている。すなわち、教え甲斐のあるやつだ。
 3)繰り返さないよう、対策をたてる力がある。
 4)段取り力、計画力がある。
 5)決めたことをきちんと実行する力がある。
 したがって、同じ失敗を繰り返さない人を上司は「見込みのあるやつ」と期待していることを伝えましょう。
 それともう一つ、伝えておくべき大事なことは、「失敗したら、自分から報告する」ことも合わせて教えておくことです。これについては、別の機会に取り上げます。

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2019年10月21日 (月)

四百三十一話 伸びる新人

 今年の新卒もその力量に、先行きが予想できるような差がそろそろ見え始める頃です。何も仕事のことを知らない入社当初はほぼ同じといえますが、今頃になると覚えの早い遅い、ミスの多い少ない、スピードの速い遅いがよく分かるようになります。性格や地頭の差をよく言いがちですが、差がつく大きな要因として、「情報への対応力」があるように思います。簡単に言うと「素直な人に情報は集まる」というセオリーです。地頭が良くても、「そんなことわかっている」というように、自ら障壁をつくってしまいがちな人、いわばプライドが邪魔するタイプには情報は集まりません。この場合の情報とは、仕事のやり方や商品知識など仕事に関わる全てのことを指しますが、言われたことは取り敢えず素直に聞く人、何にでも興味をもってあたる人に情報は集まると言えます。教える側もそのような素直な人には、もっと教えようとするものです。よって、その積み重ねで次第に大きな差ができてしまいます。
 でも、この差を埋めるのは今ならまだ間に合います。この時期、新人に「仕事の教わり方の基本」をもう一度、指導するのが良さそうです。

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2019年10月11日 (金)

四百三十話 入社後の転職

 日経によると、20代向け転職サービスの登録者のうち、卒業後3年以内の人数は前年対比で3割も増えているとのことです。登録者ですから、実際に転職するかどうかはわかりませんが、就活を再開していると見てよいでしょう。急速に若手人材の流動化が進みそうな気配です。
 中小企業にとって、人材の流動化は由々しき問題です。とくに若手はそうです。苦労して採用した新卒が3年程度で辞めてしまっては、採らなかったほうがマシと言いたくなるでしょう。
 大手はこれまで新卒中心でしたが、トヨタが中途採用を当面は3割に増やし、いずれ5割に持って行くと発表しました。他社も追随することでしょう。年功、終身雇用は崩壊し、流動化は思ったより早く進みそうです。
 中小企業は採用に時間、労力、コストを掛けるよりも、これからは定着にウェイトを置くほうが得策となりそうです。人事戦略を持たざるを得なくなりつつあります。
 

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2019年9月25日 (水)

四百二十九話 高卒新卒採用

 厚労省の発表では20年度の高卒求人倍率は2.52倍(7月末時点)で、大卒求人倍率1.83倍(リクルートワークス発表4月時点)より高く、高卒の採用難はより厳しそうです。新卒の初任給は、これまで大卒が伸びて、高卒は採用方法の違いもあって遅れ気味でしたが、ここへ来て高卒の求人熱が高まり、初任給の上昇率も逆転しはじめています。
 これまでは高卒に継続してエントリーし採用できていた中小企業は、あてにならない大卒と較べて比較的安定した労働市場だったと思われます。けれども、これから大きく変わっていきそうです。現在の高卒採用ルールは50年以上も変わっていない1人1社方式で、高卒者が企業を選択する余地が乏しい特異な採用方式と異議を唱えるところが増えて来たからです。高卒者自身にとっては、実際はそれほど問題がなかったと思いますが、この流れは止まらないでしょう。高卒採用も大卒と同じように自由化してしまうと、大手企業や名前の通った企業が有利になり、多くの中小企業にとっては厳しい状況になりそうです。採用の労力とコストは増々高まることになるでしょう。

🎤 今年の弊グループの親睦会は大阪国際がんセンターの松浦成昭総長に重粒Img_3899Img_3897子線によるがん治療をお話しいただきました。専門的にならず、とてもわかりやすい説明で好評でした。重粒子線治療というのは炭素原子を加速させ、直接がん細胞に照射するもので、巨大な加速施設が必要になり、日本で大都会の真ん中にあるのは大阪だけだそうです。近くにこのような施設があることにあらためて驚いた次第です

 

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