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2008年5月

2008年5月29日 (木)

三話 「ビジネスパーソンのターニングポイント~35歳」

 2008年が始まってから、景気は急速に悪化し、非常に先行き不透明になっていますが、人の採用については引き続き売り手市場で、大手は新卒採用の手を緩めてはいません。その煽りで中小企業の新卒採用は相変わらずひどい状況です。景気は悪い上に必要な人も取れずで中小企業は二重にたいへんです。
 するとどうしても中途採用に頼ることになりますが、それでも誰でも良いから採用するか、というとバブル期と違って勿論そんなことはなく、比較的割得な60歳以降か、30歳代までというのが現実、大勢のように見受けられます。
 人材の売り手市場と言ってもやはり30歳代を越えるとかなりキャリア、専門能力が無いと会社は敬遠し、就職は極めてタイトになるようです。
 世間では「プログラマー35歳定年説」「女性派遣社員35歳定年説」などビジネスパーソンのターニングポイント~35歳説がまことしやかに囁かれていますが、実態を見るに、あながち出鱈目でもないのかも知れません。
 関与先の会社を見わたしても、35歳前後が賃金、職位等、人事制度の設計における意味づけの変わる転換点となっているケースが多く見られます。
 従来もそのような捉え方が無かったわけではありませんが、最近の傾向の一つに明確に制度として表に出すような会社も増えてきました。例えば職種で言えば、配送、デザイン、イベント関係、いくつかのサービス業、或いはその職種を一部門として抱える会社に多く見られます。
 来月初めに、その辺りをテーマに「35歳進路選択制 賃金と評価の解説」のセミナーを行います。目玉は35歳ぐらいで賃金がストップしてしまう職種と従来型で上がってゆく職種の両方を併せ持つ会社の賃金の二重制度についてを予定しています。
 勿論モデル事例となりますので、そのまま各社に当て嵌まる訳ではありませんが、考え方はおおいに参考にして頂けると思います。

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2008年5月26日 (月)

二話「社員教育の実例の本から」

 先日、北陸への日帰り出張があり、大阪からサンダーバードの往復で、「手を挙げた人、全員内定。」(東洋経済出版社)という、新人採用と社員教育についての本が一冊読めました。著者は外食チェーン株式会社KOURAKU GROUP代表の福原裕一氏で、この著書の中で「今の若者は自由に苦しめられている…昔は大学に入るために受験をし、大学卒業後は就職して定年まで勤めるという社会のレールが敷かれていました…バブル崩壊後、そのレールがなくなってしまい、…すっかり自由になってしまった。…自由になれば自分でレールを敷かなければなりません…自由=不安定、不自由=安定…自由になればなるほど自分の将来像が描けず不安になる…」と言うようなことを書かれています。私も同感で、指導先の会社等における多様化した働き方、ライフスタイルの多くの若い人たちを見ていると確かに自由を謳歌しているとはあまり思えません。「自由は欲しいが自立には尻込み」のアンビヴァレンスな感情を解き放てないでいるようです。でも、またその一方で優秀な人も本当に増えたように思います。最初からパソコンが普通に使えるし、物怖じせず、自分の考えをはっきり言う、自分がやりたい仕事を持っている、等々。その点では今の若者ははっきり二つに分かれるように見えます。そうだとすると若者を二つに分けるそのキイワードは察するところ、「自立」「自己責任」と言えるでしょうか。
  福原氏はこうも言っています。「今どきの若者は根気がない、意欲もない、仕事をなめている…果たして本当にそうなのでしょうか…私から見れば、今の社会や企業は若者を本気にさせる場を与えていないとしか思えない…」同感ですが、そうは入っても会社はたいへんです。この二つのタイプの若者への処方箋が自立、自己責任だとすると、これまで、そのような仕事の与え方をして来ませんでした。年配の管理職も自分たちがそのように教わって来ていません。自立できない若者と自立志向の若者に受け皿を用意できない会社。急には舵をきれない、そんな過渡期の閉塞状況が現在でしょうか。
  ところで、私どもの関与先での指導の一つに、上司が行う「部下の仕事の振り返りの面接」があります。自立した社員の要件の一つはまず自分の仕事を振り返ることが出来、きちんと説明できることです。難しいことでも、特別なことでもありませんがこのような基本をしっかり行い、会社の「当たり前」にすることが大切と思い続けて頂いています。中小企業の人材の定着にも繋がっていると思っています。

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2008年5月22日 (木)

一話 「読者の想定」

 ある会社で役職者10名ほどが集まって、私と月1回の勉強会を続けています。もうまる3年になりますが、いつもは仕事が終わった後の6時ごろから2時間半から3時間くらい行っています。宿題もありますし、仕事で疲れた後に頭を使うので楽ではないと思うのですが、皆、熱心で感心します。
 昨日もその勉強会の日で、6時からスタートし、テーマは、これはメンバーの方から出たのですが、最近私が出版した人事考課の本の内容に対する疑問点など、質問を一人ひとつ以上出し、私が答えるというものでした。
 実際に出てきた質問は一人3点ぐらいずつ、中身はなかなかシビアな鋭いものもあり、これを続けたら、新たなQ&Aで、もう1冊書けるのではと思ったほどでした。
勉強会としては充実したものとなりましたが、こんなに良い質問が出ると言うことは裏返すと、本の内容があるレベルにとっては「少々、書き足らない」とも言えるのだと思います。
 このような本の出版に当たっては(セミナーなども同じですが)、どこまで書くか、言い換えれば、対象読者をどの層に絞るか、いつも悩ましい選択を迫られます。「よしこれで完璧」とその時は思って出版するのですが、出した後、暫くして「あそこはああすれば良かった」と思いを巡らします。勿論、いつまでも引き摺ることは無く、「次の出版ではこうするぞ」と気持ちを切り替えていますが。

 ところで、この勉強会では私の執筆の明け透けな批評なども頂きます。またメンバー間でも各人の発表内容の評価点をお互いに点けたりと、全員少々気合を入れて参加していると思います。おそらく、この会が長く継続している理由は、そう言う面で馴れ合いになっていないからでしょう。勉強会に限らず人の集まりに共通した継続のための条件のように思います。

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はじめに

 私どものコンサルティングは賃金・人事に特化した、どちらかと言えば少々タイトなコンサルです。もう20年も続けていますが、私がこの仕事に関わり始めた頃と今では状況も随分と変わり、新たに出くわす問題(ご相談)もまだまだ増える一方です。
それらがコンサルティング・マインド、いわば私の好奇心を煽り立て、「惰性でコンサルは出来ない」と囁きます。
 そのような、ちょっと特殊であまり知られていない人事コンサルという仕事に携わり、東西奔走する私の思いつくままを連載いたします。

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