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2008年12月

2008年12月29日 (月)

二十八話 賃金の動向

 金融危機から実体経済のニュースへと話題が移り、景気の悪化の深刻さが日々拡がっています。

 大手企業の「人」に関する対策は、非正規社員の雇い止めで始まり、賃下げ→正社員の退職勧奨(いわゆるリストラ)も視野に入ってきました。

 よほどでない限り正社員の雇用を守るのを企業理念の一つとしている会社が多いのがわが国の特徴ですから、「賃下げ」まではかなりの企業で進むと思われます。

 賃金の対応策は春闘で言えば、ベア・ゼロ(定期昇給のみ)→定期昇給の減額(ベースダウンⅠ)→定期昇給ストップ(ベースダウンⅡ)→賃下げ(ベースダウンⅢ)、の段階があり、それぞれの会社の事情(業績の深刻さや組合との関係)に応じて対応を取ることとなるでしょう。

 中小企業でも雇用の確保は大前提ですから、賃金が大きな防波堤になります。その対応策はもともと大手で言うベアなど無いところが普通ですから、極端に言うと昇給ストップか賃下げとなるでしょう。

 賃金表など賃金体系のある会社なら、昇給とベースダウンを分け、ベースダウンをしつつ査定昇給を実施することもするでしょう。また、定期昇給と昇格昇給とが分離している体系なら、昇給ストップやベースダウンを実施しながら昇格昇給を行い、有能者のモチベーションの維持、離職防止の手を打つことでしょう。

 いずれにしても、これから4月に向けては雇用、賃金情勢から目が離せません。

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2008年12月23日 (火)

二十七話 雇用の動向

 製造業等で可能となった派遣社員の3年契約が終了する最初の年となる、いわゆる派遣の2009年問題はこの10月ぐらいまでは、雇う側である会社の対応策の問題でしたが、ここへ来て派遣社員側の問題と変わってしまいました。つまり世界的なこの急転直下の不況の影響で雇用をいかに繋ぎとめるかの問題から契約打ち切りの良い機会の話と中身が変わってしまった感があります。

 でもそれは主に大手製造業の話で、中小企業ではまだ雇用に困っているところはこの状況下でもあります。相変わらずパートさんが不足しているところが多々あります。やはり中小企業は慢性的に人材を集める苦労がつきまとうようです。

 それにしても、今回の大手の対応はこれまでに無く素早いものでした。非正規社員の大量の雇い止めの決定は一気になされました。それほど今回の不況がグローバル化した経済のお陰で規模が大きく、円高と相俟って短期間に影響したからでしょうが、これまでと違って全雇用の35%を占めると言われる非正規雇用の拡大と先の2009年問題に代表される規制緩和による派遣の増加が背景となっていることは間違いないでしょう。

 新卒の採用取消も問題になっていますが、まだ今のところ新卒全体の0.1%程度ですし、その先の平成10年度の新卒についてもリクルートワークスの調査データでは採用方針にに大きな変更は見られません。非正規との差は歴然としています。

 大手製造業はこれまでの不況の経験とグローバルな競争力の点から、今回は非正規雇用を調整弁として最大限に活用しています。それにより正規社員は守られていますが、この今までに無い素早い対応で景気が早く底を打つのか、短期に大量の非正規の失業がより産業の裾野への影響を拡げ、より消費を低迷させ悪化を拡げることになるかはこれからです。

 また、この機会をチャンスと捉え、雇用に苦戦していた流通関係の一部で雇用の拡大をはかろうとするところも出てきました。新聞に出ているところでも、ノジマ新卒300人追加採用、幸楽苑100人店長候補追加採用、モンテローザ正社員500人採用などです。人が余っている産業から人を必要とする産業への労働力の移動、つまり健全な形での雇用の流動化は必要な筈ですか、わが国の雇用制度と社会的な意識は充分ではありません。もう一歩すすめる必要があるのでしょう。でもそれについてはほとんど論じられていません。もしかすると、今回の不況を契機に変わってくるのかもしれません。

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2008年12月14日 (日)

二十六話 「2008年冬季賞与動向」

 すでに新聞等でも報じられていますように、この冬の賞与はデーターが集まるにつれ、予想通りかなり厳しい情勢となっています。

 日経の集計でも夏冬年間で組合と一括交渉の企業は微増(0.7%増)でしたが、冬季のみ交渉型(全体の4割)では3.67%(関西は4.56%)のマイナスとなっています。そのうち製造業が△5.19%(関西は6.10%)で輸出型の落ち込みが際立ち、内需型との格差となっています。

 中小企業の資料は少なく、全容は正確には掴めませんが、関西の20名以下を大半(約8割)とするデータ(大阪市信用金庫)によると賞与を支給する企業で△0.95%となっており、予想外に落ち込みが少ないように見えますが、冬季賞与を支給する企業(寸志は除く)が昨冬の71.4%から62.3%と9.1ポイントもダウンしています。1100社ほどのデータですから昨年と較べて丁度100社ほどが支給無しとなったことになります。中でも支給しないと支給額ダウンについて中小の小売業が目立っていますから、末端の消費が急激に冷え込んでいると考えられます。

 わたしどもの関与先についても冬季賞与はやはり厳しい情勢ですが、この10、11月に急激に冷え込んだ分、今期の業績への影響よりも先行きの見通しの悪さから、賞与の圧縮で事前対応されているところも多いように思えます。

 関与先のほとんどの中小企業は会社の業績に連動して賞与原資枠の設定をしていますが、枠の決定要件には「当期業績」に加えて「今後の見通し」が大きなウェイトを占めるようになっています。わが国の変動型の賞与制度はなかなか優れたしくみと言えます。

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