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2008年12月23日 (火)

二十七話 雇用の動向

 製造業等で可能となった派遣社員の3年契約が終了する最初の年となる、いわゆる派遣の2009年問題はこの10月ぐらいまでは、雇う側である会社の対応策の問題でしたが、ここへ来て派遣社員側の問題と変わってしまいました。つまり世界的なこの急転直下の不況の影響で雇用をいかに繋ぎとめるかの問題から契約打ち切りの良い機会の話と中身が変わってしまった感があります。

 でもそれは主に大手製造業の話で、中小企業ではまだ雇用に困っているところはこの状況下でもあります。相変わらずパートさんが不足しているところが多々あります。やはり中小企業は慢性的に人材を集める苦労がつきまとうようです。

 それにしても、今回の大手の対応はこれまでに無く素早いものでした。非正規社員の大量の雇い止めの決定は一気になされました。それほど今回の不況がグローバル化した経済のお陰で規模が大きく、円高と相俟って短期間に影響したからでしょうが、これまでと違って全雇用の35%を占めると言われる非正規雇用の拡大と先の2009年問題に代表される規制緩和による派遣の増加が背景となっていることは間違いないでしょう。

 新卒の採用取消も問題になっていますが、まだ今のところ新卒全体の0.1%程度ですし、その先の平成10年度の新卒についてもリクルートワークスの調査データでは採用方針にに大きな変更は見られません。非正規との差は歴然としています。

 大手製造業はこれまでの不況の経験とグローバルな競争力の点から、今回は非正規雇用を調整弁として最大限に活用しています。それにより正規社員は守られていますが、この今までに無い素早い対応で景気が早く底を打つのか、短期に大量の非正規の失業がより産業の裾野への影響を拡げ、より消費を低迷させ悪化を拡げることになるかはこれからです。

 また、この機会をチャンスと捉え、雇用に苦戦していた流通関係の一部で雇用の拡大をはかろうとするところも出てきました。新聞に出ているところでも、ノジマ新卒300人追加採用、幸楽苑100人店長候補追加採用、モンテローザ正社員500人採用などです。人が余っている産業から人を必要とする産業への労働力の移動、つまり健全な形での雇用の流動化は必要な筈ですか、わが国の雇用制度と社会的な意識は充分ではありません。もう一歩すすめる必要があるのでしょう。でもそれについてはほとんど論じられていません。もしかすると、今回の不況を契機に変わってくるのかもしれません。

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