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2009年2月15日 (日)

三十一話 消えた貨物船

 大阪港から湾岸線で神戸方面へ向かうと、尼崎から芦屋へかけての沖合いに貨物船の集団が停泊しています。動力の無いだるま船の類に見え、荷受荷降しで接岸の順番待ちをしているように思われます。これまでも景気の動向がこの船の数で概ねわかりました。昨年の10月ぐらいまでは見渡す限り船団という光景でしたが、その姿も昨年末にはすっかり消えてしまいました。丁度、同じ光景が前回のバブル崩壊後にも見られました。でも前回は何ヶ月も掛けて徐々に減ってゆきましたが、今回はピークと思えた船数が2ヶ月ほどで一瞬のごとく消えてしまいました。そのくらい今回の不況が大きく、深いことを示しています。

 この今回の不況の度合いを理解していた大手企業は、早々に対応しました。前回の轍を踏まない矢継ぎ早の対応でした。よりグローバルになったことによるインパクトも計算してのことでしょう。雇用問題でマスコミに叩かれ、これからの春闘でも「景気の足を引っ張る」とまた叩かれるでしょうが、賃上げ要請に対して妥協はしないに違いありません。それは今回の不況の大きさ、深さと共に今耐えれば間違いなく、その後に必ず来る回復時には世界をリードできると、どの企業も考えているからと思われます。そのくらい日本の技術力の底力とそれを支えるインフラは突出していることを世界を見て実感しているのと、付け焼刃の新興の企業はバブルが崩壊すれば淘汰されると見ているからです。

 中小企業でもぐっと我慢をし、これまで時間が取れずに思うように出来なかった人材教育を不況で空き始めた時間を使って、実施を考える会社も増えてきました。確かにこれまでどこの会社も残業をいかに減らすかの対策に追われて、教育どころではありませんでした。したがってこの際、基本から叩き込もうと取り組むところが出てきたわけです。勿論、それはこの不況後の回復が早晩来ると考えているからです。しかも、それは谷の深さに比例した、大きな山が来ると見ています。

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