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2009年8月

2009年8月29日 (土)

五十五話 中小企業の目線

 わたしどものように会社を外から見ていると、経営の動機は一つではなく、ほんとうにさPhoto まざまに思えますし、ずっと同じでもなく、段階もあり、変わります。「なぜ会社は大きくすると潰れるのか 」(明日香出版社)で自社の倒産のことを書かれた不破俊輔氏が本の中で、経営には組織をつくることそのものが経営という側面がある、というようなことを書かれていましたが、それも本当のように思います。また、中小・中堅企業は事業を承継するときがさなぎが羽化するときのように最も弱いともありましたが、まったくその通りですし、後継者はいきなり経営を任され、何がなんだか分からないうちに、自分もまた次の代を考えなければならない歳になっていた、というようなことはよくある話のように思います。ですから、経営の動機はけっして一つではありません、100の会社に100の理由があるように思えます。
 新刊「小説家の経営術」(西川三郎 幻冬社)にあるストーリー経営もその意味では一つの経営の動機に違いありません。この本の一つの主題となっている、小説の「テーマ」と同様に経営姿勢を維持する「経営のテーマ」も大事でしょう。そう捉えれば、この書は悩み多き経営者にとって問題解決の糸口が得られるかも知れません。でも、小説を描くように経営をせよと言われても、わたしどの依頼主であり、日本の企業の9割以上を占める中小企業の大半は会社をする動機が違うように思えます。
Photo  以前にも紹介した石野誠一氏の新刊『小さな会社の「一人前」社長業』 (明日香出版社)にはこうあります、『「生業としての会社経営」や「事業としての会社経営」というものと「企業としての会社経営」というものは、似て非なるものだということだけは承知しておいて欲しいと思うのです・・・。』まったく、同感、眼から鱗です。昨日よりも今日、何か一歩でも会社が良くなれば、喜ぶべきなのが多くの「小さな会社」のように思います。

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2009年8月18日 (火)

五十四話 モチベーションに関する書籍から

 モチベーションを辞書で引くと「動機づけ」「行動へ駆り立て目標を達成しようとする精神の働き」などなっていますが、企業活動、とりわけ人事に大いに関連する点で、二つの書籍を紹介します。

 「やっぱり変だよ日本の営業」(日経ビジネス)を書いた宋文洲氏は新刊「社員のモチベーションは上げるな! 」(幻冬舎)でモチベーションを上げるなどというのは、水のいらない馬を川へ連れて行くようなものだと書いています。つまり「渇きこそモチベーションのもとで、他人が与えるのではなく自分で感じとるものだ」、「上司にモチベーションは上げられない」としています。また「モチベーションを連発する会社はダメ」とも。少し逆説的ですが、宋氏はたぶんモチベーションは要らないと言っているのではなく、過度に頼るのは間違いだといっているのだと思います。
 宋氏の著書は一貫して「精神論に頼るな」を書いています。わたしもその通りだと思いますし、モチベーションは上げるものではなく、つくるものだと思います。つまり、会社ができるのは上がる土壌、きっかけ、仕掛け、しくみをつくることなのだと思います。

 次に日本では2006年に出版され、モチベーションとアメリカの賃金・人事制度に詳しく触れている「熱狂する社員」 (英冶出版)は、コンサルティング会社の調査結果をもとに、成功している企業に共通する要素として「社員の士気」をあげて、その条件を詳細に記しています。そして企業競争力を決定するモチベーションの3要素は「公平感」「達成感」「連帯感」につきる、としていて、米国人の本としては「公平感」「連帯感」など、らしからぬ結論に興味がそそります。
 また、この3要素に雇用と給与はきわめて大きな項目であり、必要以上のリストラの問題と成果主義にも疑問を呈しています。特に米国で主流といわれるメリット・ペイについて否定的です。しかも、勤続年数は給与の公平感の重要な判断基準であるともしている点は我々の米国感を少々変えてくれます。そして、給与は労働に見合う公平感を供給するもの、自分の達成感の判断基準のひとつ、貢献度に対する評価のシンボルとし、賃金制度の確立は極めて重要としています。
 日本でも成果主義が見直される現在、発信もとの米国がすでに冷静に人事制度を見はじめたことを知る一冊と言えます。

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2009年8月 8日 (土)

五十三話 産業の突然死の時代

 予定の仕事を予定通りこなしてくれる社員は戦力としてカウントできる良い社員です。予定の仕事を予定通りこなせば儲かる仕事をセッティングするのは経営者や管理職の役目、というのが一般的な会社です。
 でも、今の企業環境がたいへんなのは、仕事の変化のスピードがとても速いからです。昨日まで儲かっていた仕事が今日はすでに儲からなくなってしまったりします。それどころか、仕事自体が突然なくなってしまったりするのです。そうすると、担当者はこれまでと仕事のやり方をすっかり変えないとならなくなったり、違う仕事にかわらなければならなくなったりします。でも、そんなことを決めているのは管理職や会社ではなく、その仕事を必要としているお客様なのです。そのことが社員の立場からはなかなか分かりません。難しい時代になりました。仕事の変化のスピードは会社のマネジメントも変えてゆきます。
  そのようなことを拙著『一人前社員の新ルール』のルール02で書きましたが、大前研一氏の新刊『大前の頭脳』 (日経BP社)では「産業の突然死」という言葉がテーマの一つになっています。担当の仕事どころか、産業自体が消えてしまいかねないということです。まったく、大変な時代です。社員も会社も目が点になってしまいそうです。
  そういえば、わたしが就職した頃にワープロ専用機なるものが出てきて、一世を風靡しましたが、ご存知のように今はそんなものはありません。すっかりパソコンに取って代わり、10年ほど前に消えてしまいました。ワープロ専用機はほぼ30年の寿命でした。あの高価でたいそうな機械は何だったんだろうと思ってしまいます。そんなイメージで産業自体が消滅するかも知れない、いえもっと寿命はどんどん短くなっているということです。
  でも、それが現実ならそれを受け入れるしかありません。それを怠った社会は社会自体が消滅すると『大前の頭脳』では言っています。そのためには、旧来と同じ考え方をしていては駄目で、発想を、前提をすっかり変えれば良いことだ、とも言っています。付け足すなら、それは会社も社員もということだと思います。

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2009年8月 1日 (土)

五十二話 中小企業の採用試験

 人の採用において中小企業は人材を選べません。選べるほど応募がないからですし、人が不足のまま、やって行けるほど労働力にも余裕がありません。でも、「我が社で必要としているのはこういう人だ」というのを明確にし、伝えることは大切なことと考え、関与先等の制度づくりなどを通じて指導してきました。
 中小企業は人を選べないとあきらめて、採用時の試験等をしなかったり、重要視していないところが多いと思いますが、自社の「求める人材」をしめす最初のよい機会は「採用試験」であると思います。選べる、選べないに関わらず、「採用試験」を行うことをお勧めしています。スタートが肝心で、その後の行き違いの回避に繋がりますし、後悔を少なくします。人材の定着、育成にも結びつきます。人数の少ない会社ほど採用試験は有効になるはずです。

 中小企業で役に立つ「採用試験」は大手企業のそれとは全く違うと思います。よく大手企業の入社問題集などの本が売られていますが、中小企業ではあまり役に立たないのではないでしょうか。中小企業ではまず簡単なものでないと使えません。それと本当に知りたいのは「働く姿勢」、いわば「どっちを向いて仕事をしているか」という会社が多いのではないでしょうか。そのような採用問題はほとんど見かけません。そこで、これまでにも依頼されて、自社に適した「入社試験問題」を作成してきました。一定の効果を上げているように思います。

昨年のリーマン・ショック以降、雇用における売り手と買い手は180度ひっくり返ってしまいました。現在は人を採用できる余裕のある会社は少ないですが、これまで人の採れなかった企業でも募集すれば驚くほど応募が集まったりします。そこで今回これまでに私どもが作ったの入社試験問題の一部を提供することとしました。中小企業向けで①簡便②ポイントのみ、が特徴です。簡単ですが解説付です。感心のある方はどうぞ。すぐ使えます。 「中小企業の『簡単で効果の上がる入社問題』シリーズ」  

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