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2010年4月

2010年4月25日 (日)

八十三話 就活事情

 24日にキャリア・カウンセラーの重森芳昭さんのお誘いで、Web関係を短大で教えられている中島美砂穂さん、ライターの大迫秀樹さんを交えての食事会に参りました。重森さんはハローワークで就職の指導もされていますし、中島さんは神戸の短大で学生を見てられます。大迫さんは大学生の試験問題や基礎トレーニング問題などの作成をされていますし、私は関与先企業の社員教育に関わっています。当然、話題に「今どきの学生の就活」の話題になりました。「取り敢えず一般事務だったらどこでも」という、中島さんの短大生の話から始まり、大迫さんの「専門を学ぶ以前に中学生レベルを教えなければならない有名大学の学生」、重森さんの「就職課を使わない学生達」「面接の指導で決まった答えを求める学生達」「親が就職相談に来る学生」等々、「今どきの学生は何を考えているのか・・・」に行き着きます。そこには就職意識がきわめて低い学生、職業意識をほとんど持たない学生、自立心が弱い学生、そのような学生像が浮かんできます。でも、大迫さんいわく「われわれの時も似たようなものでしたが・・・。と。」確かに、わたしも同感で、就職に呑気で職業意識がない大半の学生像は昔とそんなに変わっていないのかもしれません。でも、就職をとりまく事情は大きく変わりました。かっては企業に余裕があり、そんな学生でも問題ありませんでした。いえ、むしろそんな何色にも染まっていない学生、でも入ったからにはきっちり頑張る学生を企業は求めていました。今は状況が違います。特に大学卒には企業は専門性をある程度求めます。何をもって貢献できるかを求めています。それは、すでに専門を決めておかなければならないのではなく、いつかはその会社のいずれかの仕事で専門的に貢献するという意識をもっているかどうかなのだと思います。学生と企業、大学と企業の意識のギャップは非常に大きいように感じます。企業は変わらざる得なくて変わりました。これからまだまだ企業を取り巻く環境は変わります。企業が変わらざる得ない背景を大学自身も早急に認識する必要があるように思われます。

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2010年4月11日 (日)

八十二話 沖縄にて賃上げ総括勉強会

 毎年この時期に賃金理論の大家、楠田丘先生を迎えて、春闘を中心に日本人事総研楠田熟として勉強会(贅沢にも10人ほどのメンバーですが)を開催しています。3月29日が楠田先生の誕生日ということもあって、お祝いの食事会を兼ねています。もう、15年も指導をいただいており、先生は今年87歳を迎えられました。今年は昨年からのお約束でこの二日に、ご希望の沖縄での開催となりました。15年前に受けた講義と今も変わらぬ、パワフルで歯切れの良い明解さは頭が下がると同時に、こちらも元気が出て来ます。

 今年の講義テーマは次の5つの内容、①今春闘の経緯と結果②賃上げと定昇の意味③日本の賃金のながれと展望④人材社会学の必要性⑤日本型成果主義、でした。。
 日本の賃金史の生き字引のような方ですから、わが国の賃金・人事を大局的な見地から確認する上で、いつもたいへん参考になります。先日のテレビ朝日のサンデープロジェクトでも、同一価値労働同一賃金の特集で歴史のひとコマを語られてました。今回の講義でも「市場経済学」とバランスする意味で「人材社会学」の必要性を熱く語っていただきましたが、その着眼の凄さに感服しました。「人材社会学」という聞き慣れない言葉がこれから流行るかも知れません。そういえば、翌日に先生の案内で行った『名護の十字路』は何の変哲もない田舎町の十字路でしたが、「沖縄の人は交差点と言わずに十字路という」その目の付P4030489_2け所にま たまた感服させられた次第です。。
 来年もどんな話が聞けるのか、愉しみになります。いつまでもお元気で講義を頂戴したいものです。残波岬で「95歳まで絶対生きるぞ!」と宣言された先生ですから、きっとまだまだ大丈夫でしょう。

 研修翌日の美ら海水族館での記念写真。途中のバスではずっと沖縄の解説をいただきました。お疲れ様でした。

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2010年4月 5日 (月)

八十一話 五木村の成果給

 子守唄で知られている熊本県五木村の村議会で18日、全国的に初めてと思われる村議会議員の成果給の導入が決まりました。報酬のおよそ2割を削減し、地域の活動実績などを年度末に評価して、削減分を一括で成果給として支給する。評価は「優秀」「良好」「普通」の3段階。一般議員だと年間51万6000円となる原資を優秀で100%、良好で50%、普通で0%の支給にするとのことです。

 ダム計画で村は人口の急減と高齢化が加速したうえ、移転のための公共施設建設などによる財政難で、議会の活性化は待ったなしの段階だったようです。成果給は背水の陣というところかもしれません。もし、この試みがうまく行けば全国に数ある同様の市町村が取り入れることでしょう。

 この取り組みが上手く行くかどうかは、やはり評価にあるでしょう。このケースの評価のポイントは、相対評価でないこと、評価対象をきめておく必要があること、評価段階の定義が必要なこと、評価基準の設定が必要なこと、評価基準を事前に設定すべきこと、期間の評価プロセスを決めておくことなどです。もし、これらができない場合は評価者の評価レベルを高め、評価をする手続きに相応の時間を掛け、納得性を高めなければなりません。評価者は一般の村の人から選出とのことで、詳細は決まってないようですが、混乱を避けるためには評価者はあるレベルまで、評価の理屈を知っておく必要があるでしょう。

 でも、「公」の評価の難しさは、上述したこれらの問題の根本であり、民間の会社では当然あるべきことが明確でないことです。つまり、それは『顧客は誰か』です。「公」の評価について書かれたものの多くに、欠けている点でもあります。言い換えると『成果は何か』ともいえます。このことを詰めておかないと、評価は自己満足の域を出ず、上手く行きません。

 五木村の成果給がどうなるか、興味津々ですが、本気でするなら、間違いなく、課題は山積みです。でも、思い切ってスタートしたから、課題が出てきたとも言えます。課題が見えれば、必ず解決できます。今回のケースもあきらめず続ければ、きっと試行錯誤しながら、精度を高めて行くことでしょう。

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