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2010年6月 8日 (火)

九十話 評価は変わる①

 3日の朝日新聞の天声人語に面白い話が出ていました。吉田茂の逸話で、新聞記者にコップの水をかけた吉田首相が、ある貴い人から「気持ちはわかります」といわれたそうです。「水をかけたいと思うだけなら、誰でも思います」と吉田は答えたという。「大事なのは水をかけることでございます」

 これは退陣した鳩山首相が言葉の修飾ばかりで、決断、実行しなかったことにかけて、載せていたエピソードですが、現在の激しく変化する経営環境に置かれている各企業の人材についても同様のことが言えるように思います。その一つの証拠が各企業において、どのような人材を評価するかの基準が変わってきていることです。

 成果主義という言葉が「結果次第」という意味に使われた時期には、結果を恐れて新しいことに手を出さない、結果の出やすい目標を立てがち、計算ばかりで行動しないなどのデメリットばかりが目立ち、時代の変化にそぐわず、修正を余儀なくされました。その成果主義も「能力は高いが結果が伴わない」のアンチテーゼの時代から次第にこなれてきて、成果は当然大事だが、成果に至るプロセスも同様に大事と変わってきました。失敗を恐れず一歩踏み出すこと、チャレンジすること、リスクをとることが各企業の人事評価の重要項目となりつつあります。おそらく、その傾向はこれから益々強くなることでしょう。

 その意味では、中小企業の利点はトップが『こんな人材を評価したい』と思ったら、今からでも直ぐにできることといえます。評価基準、考課表を変更し、『これから、こういう人を評価する』と宣言できることです。多分、多くの経営者が思っているよりも、どのような人材が評価されるかを社員は意識しています。評価基準はボディブローのように効いてきます。
 小回りが利くのは変化の時代には大切です。少人数の会社においても、人事制度という道具をうまく活用する企業が増えてきました。

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