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2010年10月11日 (月)

百七話 「もしドラ」

 今、またドラッカーブームである。ユニクロの柳井社長が愛読書として、紹介したからかもしれないし、リーマンショック後の日本は経済、政治ともに低迷し、その深い混迷と先行き不透明感から原点回帰で教科書として見直されているからかもしれません。でも、間違いなくブームの火をさらに大きな炎にしてしまったのは、すでに100万部売れたという『もし高校野球部の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(岩崎夏海、ダイアモンド社)です。「もしドラ」が流行語となりました。

 それにしても、よくできた本です。人気漫画家が飾る今風アニメの主人公の表紙51xggdrt0ql__bo2204203200_pisitbsti の絵とドラッカーがどうつながるのかと思わせますが、中身は紛れもなくドラッカーの「マネジメント」です。ドラッカーの読者なら、この本の企画に「なるほど、こんな手もあったか」と唸らずにはおれないでしょう。もしかしたら、経営者やコンサルタントではなく、ドラッカーは日本の高校生、大学生から読むべきかもしれないとさえ思ってしまいます。

 5年前にドラッカーは96歳で亡くなりましたが、その5年前にNHKの番組でインタビューを受け、次のように語っていました。「現在は転換期のまっただ中であり、あと10年から20年は続く」と。当時、ドラッカーでさえ今日の急速な中国の台頭やリーマンショックは予想していなかったでしょう。そう考えると、この転換期はまだまだ続きそうです。しかし、次のようにもメッセージを我々に送ってくれています。「しかし転換期を恐れることはない。チャンスと捉えることだ。座して敗北を待つな、自らを革新せよ」と。もしかしたら、この言葉を一番理解するのは高校生かもしれません。

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