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2011年3月 6日 (日)

百十六話 人が採れない

 今年の春闘では珍しいことが起きていて、労使の掲げる賃上げ率が一致しています。従ってその数字である1.7%代に納まるのはほぼ確実と思われます。大手の定昇率の平均がおよそ1.6%ですから、この1.7%はほぼ定昇のみといってよいでしょう。
 大手の決算状況を見てもかなり改善しており、リーマンショック前に近づいています。にもかかわらず、組合もベア要求をせず、賃金カーブ維持分の確保としているのは、先行き不透明で雇用が心配だからです。大卒の内定率の過去最低が示すように、国内の設備投資と雇用の改善は遅れています。
  中小企業においても関与先等を見ても年明けから業績は全般には良くなっています。帝国データバンクの調査でも近畿の景況感は4ヶ月連続で向上となっています。けれども大手同様に雇用には慎重です。有能な人材を採るのは中小にとってはめったに無いチャンスですし、業績も改善しているにもかかわらず、採用にはシビアです。それほど経済においても政治においても楽観的になれる要素はないうところでしょうか。

 いま中小企業でも人の募集をすると、とんでもない数の応募があり、学歴だけで見ればこれまでお目にかかったことが無いような人材が集まります。ところがそれはいわゆる事務系だけです。技術系は相変わらず採用ができません。この分野だけは大手も採用の手を緩めていないのと、応募する側も大手志向だからです。ロボコンで知られている高専などは今でも就職率は96%以上ですが、ほとんど大手が採ってしまいます。まさしくミスマッチですが、中小企業の技術系の採用は景気に関係なく、ずっとたいへんと考えておかないとなりません。ということは技術系の人材の採用と育成について、中小はあの手この手と年がら年中考えておくくらいで丁度良いといえそうです。このことは自社の人事制度のあり方に少なからず影響し、ことあるごとに重要な課題の一つとして取り上げられることになるはずです。

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