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2011年7月24日 (日)

百三十話 ストーリーとしての競争戦略

 友人とは有難いものです。この本を薦めてくれたのは、上場の進学塾、開成グループの太田明弘代表です。そもそもビジネス戦略ノウハウのこの手の本は、謳い文句とは裏腹に内容はたいしたことがないというのが相場です。「この本『ストーリーとしての競争戦略(東洋経済新報社、楠木建)』が、今一番面白い」と、太田君から聞かなければ、500頁もある2800円の単行本を絶対に買わなかったことでしょう。
 それにしても面白い本で、読み応え充分ぶ厚いたいやきのしっぽまで餡子が詰まっている41wpcn5ck1l__bo2204203200_pisitbsti とはこのことです。「ストーリー」というだけあって、この本自体がよく構成されています。読み始めるとすぐに、広告に「話が長いのにはわけがある」とあったのに頷いてしまうことでしょう。これまでビジネス戦略の本といえば、海外のコンサル会社によるもので、アクションリスト、テンプレート、ベストプラクティス等々の解説書でした。それをバッサリ正面から純和製理論が切り倒しただけでもスカッとし、読む値打ちはあるというものです。
 新たなビジネスモデルで急成長した会社が、雨後の筍のように現れた二番煎じの競合他社によって、あっという間に儲からなくなってしまうというのはよく目にします。このような会社と長期にわたって業績を上げ続けるビジネスモデルとの違いは何かを、実に多角的に説得力を持って説明しています。マブチモーター、アスクル、ガリバー、スターバックス、アマゾンなど豊富な事例とその分析は圧巻です。持続的競争優位の正体は何か、一つひとつをケース・スタディの教科書として充分に参考になる書といえます。

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