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2012年4月 8日 (日)

百六十四話 イタリア雇用改革

  イタリアでは「金持ちには庶民の苦労がわからない」とフィレンツェでも評判の悪かったベルルスコーニ首相が退陣し、学者のモンティ首相が短期政権の舵をとります。各国の経済界が注目している政策は、雇用改革です。欧州の多くは失業率が高く、中でもどこも若年層が極端に悪いのです。スペインなどは、50%を超えていて、イタリアでも30%を超えています。ひどい状況ですが、ひとつには、日本と同様にどこも年金問題を抱えていて、雇用の年齢が伸びており、その分、若年層に雇用がまわらないからです。経済が拡大していれば問題ないのですが、ドイツ以外はそれどころではない状況です。もう一つは、米国や英国と違い、欧州の大陸の多くは解雇や賃下げが簡単ではありません。これも日本と同様です。この変化の激しい経済状況では、企業はおいそれとリスクの高い若年層を雇おうとしません。企業は立ち直るきっかけが掴めず、若年失業率は高まり、内需を押し下げています。
 モンティの改革は、この閉塞状況を打破するために解雇法制を緩和するのと、若年雇用に給付をしようというものです。それでもって、企業が「だめだったら解雇できる」ことで若年雇用をしやすくするものです。また、もう一つの狙いは、それでもって企業のイタリアへの誘致をはかろうとするものです。他国との差別化は効果があるでしょう。パイが増えなければやはり経済は良くなりません。
 もちろん、この政策がすんなり行くとは考えられません。労組は既存の働き手の権利を守ることに大義名分がありますから、若年層は二の次で、大反対しています。でも、もし改革が上手く行けば、日本をはじめ多くの国で大いに参考になるはずです。当面、見守らないとなりません。

 
 

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