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2013年1月

2013年1月27日 (日)

二百六話 高齢者の労働意欲

 Jpg 前回記述した就業人口の構成比のグラフが出来上がってきましたので載せておきます。産業別の雇用の貢献度がよくわかります。

 国際労働機関(ILO)の2010年の調査によると、高齢者(65歳以上)の男性の労働力率はG7のうちで日本がダントツの1位です。日本の28.8%に対して、英国は11.3%、フランスなどは2.4%しかありません。老年人口比率も1位ですが、肩を並べるG72位イタリアの同労働力率が5.7%ですから、高齢者の活用は日本が飛び抜けています。おかげで団塊世代が65歳に到達、大量退職し、労働人口の急低下を懸念された「2012年問題」は杞憂に終わりました。日本の高齢者の労働対策は、高齢者の労働意欲の高さも手伝って、今のところ上手く行っているように思われます。しかし、よく考えると、労働人口の問題と国の政策のツケを企業が負っているともいえます。そのシワ寄せは、若年雇用に向かいます。若年の「失業率の上昇」と「上がらない賃金」、「負荷の偏り」が心配されます。企業による問題の吸収もそろそろ限界です。解決策はあらたに雇用を増やす産業を起こすしかありません。そこは国の政策の責任が大きいといえるはずです。

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2013年1月20日 (日)

二百五話 産業構造のゆくえ

 産業構造がかわり、日本を代表する産業が変わってきているとよく言われます。一部の経済学者が言うように、これまで花型だった製造業は衰退の一途となるのでしょうか。確かに昨年のパナソニックやシャープを見ると、そのような気にさせられます。また、米国のように構造転換を図り、経済の牽引役を製造業からサービス、情報通信、金融業へとシフトしていくべきなのでしょうか。
 これもよく言われることですが、わが国のGDPに占める製造業の割合は、だんだん下がってきて、今や2割ほどです。確かに、もはや製造業は日本を代表する産業でないのかもしれません。そう考えれば、円高が経済全体にとって本当に悪いかどうかは疑問となります。また、雇用で見ると製造業の貢献度はどうでしょうか。直近データの昨年11月の就業数で見ると、全就業者のおよそ16%です。それに引き換え、サービス業は37%ほどあり、サービス業の方が人数ではおおいに貢献しています。ただし、サービス業もGDP比で見ると2割程度ですから、サービス業の1人あたりの付加価値は製造業と較べて低いといえ、賃金が上がらない要因なのがわかります。
 さて、これらをどう見るべきでしょうか。産業構造という、このような重要な問題を一つ取り上げても、どうも何が正解といえるか、進路をどうとるべきか、よくわからない、と言うのが本当のところでしょう。誰もわからないところが、日本にとりつく閉塞感の正体のように思われます。 ということは、発想を変えないといけないということなのだと思います。正解は決まっていないのです。製造業とサービス業をどうすべきかなど、答えは決まっていないに違いありません。
 ただ一つ正解があるとすれば、それは「トライアンドエラーすべし」ということではないでしょうか。やってみなければわからない、やってうまく行ったものが正解なのです。そのような発想の転換が求められているように見えます。何度でもチャレンジし、何度でも失敗し、何度でも立ち上がることを必要とされる時代、バイタリティが求められる時代なのです。政治や社会だけでなく、多くの会社でもそのような風土、人の評価に構造転換を迫られているのかもしれません。

風邪ぎみなので、滋養強壮剤を飲んでいたら、高校生の息子が「元気の前借りやな」と上手いことを言います。うーむ、そういえば政府の景気対策も「元気の前借り」でしょうから、滋養強壮剤が効いているうちに、本当の体力が回復して欲しいものです。薬が切れたら元に戻ってしまうどころか、元気を前借りしたツケで、余計悪化するようなことがないことを願いたいですね。

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2013年1月14日 (月)

二百四話 雑貨の流行

 人事から少し離れた話題を一つ。北欧雑貨の「タイガー・コペンハーゲン」の日本1号店が昨年、大阪のアメリカ村に出来ました。開店前から行列のできる賑わいで、在庫不足に陥り、2度も休業を余儀なくされています。もう大丈夫だろうと、正月に朝一番で行きましたら、客は一時よりは減ったものの、やはり満員状態でした。「デンマークの100円ショップ」といわれPhotoるように。100円~500円の雑貨が中心です。流行っている理由は、北欧雑貨のデザイン性などもあるでしょうが、「ここでしか買えない雑貨」で「手軽に買える値段」と「話題性」のように見えます。
 今、雑貨が流行っているそうで、渋谷のヒカリエなども各フロアのエスカレータ周りに雑貨店を配置し、フロアー全体へ客の誘導をはかるなど、集客戦略の一つに据えています。年末に見てきましたが、確かに、特に目的はないけれど、なにかありそうな、Photo_3「ちょっと、立ち寄る」効果が雑貨にはあるように感じました。ただし、大きな流れで見ると、雑貨ブームもデフレ消費の一環のように思われます。もし、それだけなら、円安、インフレに傾けば、ブームはあっけなく終息してしまうでしょう。でも、インフレになるかもわかりませんし、雑貨の魅力はそれだけでは ないかもしれません。そういえば、ヒカリエに日本の伝統工芸を使った雑貨がありました。追い風の間に努力をする、潮目が変わっても生き残る鉄則でしょうね。
写真左上は朝11時開店時のタイガーコペンハーゲン。中は人で一杯です。右はヒカリエに入っている、京都のがま口屋さん「AYANOKOUJI」の小品。出店でふつうのがま口屋さんが突然忙しくなり、売上5割増、社員も10人増やして、てんてこまいだとか。
私どものセミナーで講演してもらったこともある、大手広告代理店でディレクターをしていた友人が、定年前、年末にそこを辞めて、年明けから大阪の広告会社に勤めるようになりました。「もうゆっくりやろう」というのではなく、「まだまだバリバリやる」というのですから、頭が下がります。60歳にして新天地で単身赴任はハードでしょうが、こちらも「負けてられない」気にさせられます。いつでも会える距離になったので、今年は なにかと飲む回数が増えそうですが。

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2013年1月 9日 (水)

二百三話 賃金増で法人税の減額

 民主党政権のときにも、雇用を増やすことで法人税を減額する画期的な制度が緊急雇用対策として実施されました。発想は良かったのですが、期間も短く、知らない会社も多かったようで、大した効果もなく終わりました。でも何が画期的だったかといえば、雇用の厚生労働省と税制の財務省という管轄の違う省庁を跨いだ経済対策の施策だったことです。
 今回の自民党安倍政権の25年度税制改正では、この制度の焼き直しで、雇用増だけでなく、賃金を増額した企業についても法人税の減額措置が盛り込まれる予定です。企業の利益が従業員に還元され、個人消費にまわる道筋の施策の一つという訳です。前回の折にも中小企業の控除額上限は税額の20%で、今回も同じかそれ以上になるでしょうから、企業にとってのメリットはは結構大きいといえます。
 民主党の失敗は、案は悪くなかったのですが、どれも小粒の中途半端なものに終わってしまった点です。ですから、本気度が伝わってきませんでした。結局それは、予算がつかなかったからでしょうし、それゆえに官僚が動かなかったからでしょう。
 今度はビシッとやって貰いたいものです。省庁を跨いだ制度ですから、新政権に変わって、政治がリーダーシップをとれるかどうかの試金石となるはずです。注目したいと思います。

 
 

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2013年1月 1日 (火)

二百二話 賃金の大きな流れ

 このところ、というか、この20年、大きく見ると初任給は横這い、昇給は定昇のみと大きな変化はありません。雇用延長に伴い、50歳以降のカーブが抑制されてきたくらいに見えます。ただし、それは正社員の平均的な話で、非正規や業種等個別に見ると違ってきます。
 日本の賃金において、一つの大きな流れは、仕事に対して払われる、仕事の対価といしての賃金が、企業の中だけでなく、社会的に進んでいることです。つまり、比較的たいへんな労力を必要とする或いは、大きな価値を生む仕事の割りには低く抑えられている賃金は上がり、その逆の大した仕事でもないのに、これまでの慣習や既得権で高止まりしている賃金は下がる傾向にあることです。その比較が社内だけでなく、職種を横断して、起こっていることです。但し、現在は上げの圧力より、下げの圧力の方が強い傾向にあります。つまり、一般的なA職種の事務の賃金より、それほど難易度も高くなく、ハードでもないB職種の事務の賃金が高い場合に、B職種の事務は下がるということです。つまり、職種を横断して、仕事に相応の賃金という視点ができつつあるといえます。しかし、それは見た目には、一企業の賃金改訂として行われており、社会的な運動や圧力があるわけではありませんので、特に話題として取りあげられていませんし、専門的に見ないとよくわからないでしょう。でも、静かに起こっており、徐々にですが確実に進んでいます。

新年おめでとうございます。昨年は世界がトップ交代で、経済は凍結状態の年でした。今年の日本は円安株高で始まる好スタートとなりますが、たぶん夏の参院選までは持ちそうです。復興需要もピークを迎え、あながち悪い材料ばかりではなさそうです。エネルギーの高騰に対して輸出や内需が追いつくか、というところでしょうか。個人2013et的には、宿題が山積み、暮から自宅に缶詰状態で、正月中も続きそうです。今年も、ドタバタと慌ただしく過ぎるのでしょうね。
今年は年賀の絵を描く時間が無くて、神戸港の写真を娘にイラストチックに加工してもらいまし た。プリントすると暗くなってしまい、どうしても調整できず、ちょっとイメージと違ってしまいました。やはり、手を抜くといけませんね。

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