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2013年3月

2013年3月24日 (日)

二百十四話 雇用の流動化①

 経済の活性化には規制緩和は欠かせないといわれつつ、小泉政権以降、これまでは掛け声ばかりでいっこうに進まない中、今政権、アベノミクスの本丸と位置づけられていますが、さて今度こそ進むでしょうか。
 現在、産業構造改革の一環として解雇法制の規制緩和が話題となっています。一旦雇用すると余程のことがない限り、解雇するが難しいのが日本の法律です。しかも、解雇基準が明確化されておらず、判例に基づく慣習と裁判官の裁量に委ねられています。また、これらは正社員についてであり、正規と非正規の差別をOECDからも指摘され、緩和、法整備を求められています。
 解雇規制の緩和は、企業が人を抱え込むのをやわらげ、衰退産業から成長産業へ人材をシフトするのを促します。これを「雇用の流動化」といいます。高齢化少子化が益々進むなか、経済の活性化にとって、「雇用の流動化」は非常に重要な鍵であるに違いありません。人材の移動を促さないと日本経済はダメになるでしょう。
 但し、わたしは「雇用の流動化」は慎重派で、必要は認めますし、またそうなるでしょうが、急な改革には積極的ではありません。解雇基準の法整備は必要ですし、解雇規制の緩和はある程度必要ですが、大幅な緩和には反対する立場です。経営者の多くは「容易に解雇できる」ことに賛成でしょうが、自分の首を絞めることになりかねないことに留意すべきです。
 「雇用の流動化」は慎重にしないと、中小企業は壊滅してしまいます。<その②へ続く>

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2013年3月16日 (土)

二百十三話 賃金の減少

 厚労省の勤労統計調査を見ると、1月の速報値で平均賃金300,568円、所定内で240,233円となっています。リーマンショック前平成19年の同月で平均賃金343,489円、所定内303,597ですから、それぞれ12.5%、11.1%下がった計算になります。このところ、平均賃金は下がり続けています。だから、賃上げが必要とのコメントがあったりしますが、中身が吟味されていません。
 たとえば、大手の製造業でいえば、20~40代で個別の給与は平均して、平成19年からの6年間で年1.7%は昇給しているでしょう。額にすると3万円以上です。ところが、それでも平均給与で見ればやはり下がっているはずです。
 この理由はあきらかで、大手の製造業の場合、団塊世代の大量退職の影響です。つまり、人員構成が変わったからです。このように賃金の問題は企業によって異なる事情を加味しないと意味がありません。今春闘は物流系が相場を引っぱっていますが、製造業とは事情がだいぶ異なることを見ておく必要があります。
 このことは、中小企業においてはもっと極端に言えるはずです。中小企業にとって、人員構成は賃上げの鍵となります。
 自社の人員構成と賃金をの実態をきちっと把握しておく必要が、これからさらに高まるはずです。

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2013年3月 9日 (土)

二百十二話 セブン&アイのベア

 ローソンに続いてセブン&アイが、政府の要請に応えるかたちで賃上げをします。ローソンは賞与でしたが、セブン&アイはベアを行います。例年ですと、今年の春闘の着地も昨年に準じた1.75%(厚労省)くらいの予測がされるところですが、このような流通業を中心にした好回答で少し嵩上げが予想できそうです。
 今年の春闘が例年と異なる点は、いつもは自動車や電機がリードして全体の春闘相場を形成していたのが、今年はこれまで脇役だった流通小売等が顔をだしてひっぱる形になっている点です。
 流通小売等が賃上げに前向きなのは、三つくらいの理由が考えられるでしょう。一つは、消費の活性にに直結すること。二つには、比較的流動化している人材の確保と定着につながること。三つには、大手製造業に対して賃金の水準と昇給にまだまだ大きな差があることです。
 セブン&アイで、定昇込み賃上げ1.5%、内訳が定昇1.24%4322円、ベア0.26%907円(日経)となっていますが、大手の平均で定昇1.58%4672円(労務行政研究所)です。例えばトヨタだと、公表されている数値で定昇7300円です。つまり、その差は大きく、流通小売等のベアは意義があるといえます。それに対して、すでに充分高いトヨタがベアなどする訳がありません。そんなことをしたら、海外に生産が益々移行するのが労組もわかっていますから要求などする筈もないのです。
 これから新聞紙上等に「○○社が幾ら賃上げした」等のニュースが、まだまだ取り上げられることでしょう。社員も期待が膨らみます。だからと言って、雰囲気で安易に決めてはいけません。まずは自社の賃金を世間水準と照らし合わせることが肝要です。

1先週末は仕事で伊勢へ行ったその足で、数十年ぶりのお伊勢参りへ。今年は20年ごとの遷宮の年にあたり、賑2やか でした。内宮と外宮だけでなく、ほとんど全ての社殿や鳥居、橋を替えるのですから、たいへ3んなものです。大いなる無駄も経済効果が昔はあったのかもしれません。そこ で遷宮の年には、江戸時代のよう に伊勢での宿泊費と食事代を施行(タダ)にして、全国からお陰参りのツアーをさせ、その費用に消費税をかけず、所得税や法人税から減額でもできたら、盛り上がって、景気にもプラスでしょうに。アベノミクスもついでに4本目の矢として、しませんかね。写真右は近鉄のお伊勢参り周遊券、赤福の引換券がしっかり付いています。

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2013年3月 3日 (日)

二百十一話 「賃上げ」の引きがね

 確固たる昇給のルールがある大手は、「賃上げ」といえばベアを差します。ベアとは、水準上げです。昇給のルールが確立されていない中小等は、昇給=「賃上げ」です。実際に人員構成に偏りがあるのが普通といえる中小では、昇給によって人件費が膨らみ、コストが上がって競争力にはね返ります。 いずれにせよ、春闘を中心に大手の「賃上げ」のゆくえが、中小を含む賃金全体のムードをつくりることになります。
 政府の産業界への要請に対して、企業は「賃上げ」=ベアを、そう簡単には行いません。「賃上げ」が起こる大きな要因は二つです。
 一つは、実質の賃金の目減りです。物価の上昇に対して、相対的に賃金の価値が下がり、去年並みの生活が維持できなくなるような場合です。賃金相場を引っ張る企業が、ルール通りの昇給、つまり定昇が確立されている現在の日本の状況では、「去年並みの生活が維持できない」などいというのは、よほどの目減りがない限り起こり得ません。労働組合が声高に「賃上げ」を言っても、説得力がなく、将来の確保、つまり設備投資や開発費、内部留保に向かうでしょう。高度成長期なら、より一層の「生活水準の向上」は大きな意味がありましたが、日本は充分豊かになり、現実味がありません。もし、そうでない分野があるなら、そこにのみ賃上げ圧力がかかることでしょう。
 もう一つは、「人材が必要で、採れない」事態です。その場合に、人も需要と供給の関係で値段つまり賃金が上昇します。他社と競争で有能な人材の確保に走ることになり、他社より賃金を少しでも上げようということになります。但し、その場合でも地域や職種の全体で高まらないと簡単には起こりません。その点では、人の需要、つまり雇用が充分に広がらないと賃上げの引き上げにはならないといえます。産業の喚起が必要です。

 政府の賃上げ要請に対して、ローソン、一休、JINなど応える企業は出てきていますが、今のところすべて賞与です。業績が上がっただけで、本来の「賃上げ」を行うリスクを企業はとるようなことはないでしょう。ハードルはまだまだ高いといえます。

Photo娘に連れられて、24日の日曜に天満の天神さんの梅酒大会へ。300種もの梅酒が700円で飲みPhoto_7 Photo_3放題ということで、た いそうな人 数でした。ツイッターにも「梅酒のわんこそば状態」とありましたが 、まさにその通りで、わたしも40杯くらいは飲んだような。さすがに梅酒と言えども結構よい気分に。おかげで、お土産の梅酒の即売をぶら下げて帰ることに。なかなか上手い商売ですね。

 

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