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2013年11月

2013年11月24日 (日)

二百四十九話 ベア②

 人材の需給ギャップが賃金にハネ返りやすいのは、当然、より流動化している労働市場です。日本で流動化の大きいのは、パート、派遣、それに飲食サービス業および介護や看護などの医療関連専門職です。
 10月までの統計で、3大都市圏の関東、東海、近畿の派遣の時給平均が5か月連続で上昇しています。人材不足による賃上げがおきはじめています。今は、特に技術系に顕著ですが、このまま景気の腰折れがないとすると、派遣やパートの事務・作業系におよび、そのあとに正社員の中途採用、それから新卒採用へと拡がって行くでしょう。不明瞭なのは消費税後で、そこが誰も読めていません。
 それにもかかわらず。中小企業においても、新たに人の採用が見込まれる会社、あるいは定着率の低い会社は、これからは人の採用とともに、賃上げがついてくることを想定しておかなければならなくなりました。

 クルマの売れ行きが好調です。消費税やら軽の車両税等上げの問題を見越しての駆け込み需要でしょうか。それとも、新Photo車ラッシュで盛り上がっているからでしょうか。神戸でも船積み基地から頻繁に大型運搬船が新車を載せて出港しています。クルマの経済効果は製造業だけでなく、裾野はかなり広いです。

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2013年11月17日 (日)

二百四十八話 ベア①

 トヨタの今期の業績予想が2兆円を超えるなど、凸凹はあるものの大手の業績が概ね好調で、賃上げの環境は整いつつあるといえます。業界、産業界を引っ張る立場にある企業としては、政府の賃上げ要請にこたえなければならなくなってきました。消費税増税後の懸念はあるものの法人税下げ、雇用法制などがある程度進めば止む無しとの考えもあるでしょう。また、先日もコマツの坂根元会長が「余剰人員という足枷をのぞけば、日本企業の人件費当りの生産性はけっして低くない」というようなことをTVで話し、日本を生産拠点とする方針を打ち出していましたが、競争力にも自信が戻りつつあるのがうかがえます。これらは円安の影響が大きいでしょう。国内に生産が戻りつつあります。
 賃上げを考えた場合に、大きな要因は三つです。一つは物価、二つには競争力、もう一つ大きな要因は需給ギャップです。その点では、二つの外堀が埋められ、残る要因は人不足となります。
 即戦力型の中途採用などは採用が厳しくなってきました。いろいろな業種で人材不足による雇用難が始まりつつあります。ずっと横ばいだった初任給相場(今年などは少し下がっています)が上がれば、賃上げは本格化します。中小企業も対岸の火事ではなく、賃上げを考えなくてはならなくなってきました。

村上春樹も通った、50年の歴史を持つ神戸の老舗ピザ店「PINOCCHIO」には、ピザに開業以来の通しナンバーが振られたプレートが付いてきます。「昔と変わらぬ味」を約束する店のブPhotoランドの証となっています。このことから、ブランドとは「顧客との約束」といえます。この「約束」のお蔭で、値段は少々高くとも顧客は他を差し置いて選んでくれます。でも顧客が期待したものがそこにないとがっかりします。と、同時にブランドは失墜してしまいます。一度でも約束を破られると、「また食べに来よう」と思わなくなってしまいます。ブランドの維持とは厳しいものです。「PINOCCHIO」はナンバープレートをつけることで、自身にもタガをはめているのかもしれません。阪急阪神ホテルズから始まった食品の偽装表示は著名ホテルやレストランのブランドを失墜させましたが、それを回復させるにはブランドを立ち上げた時より労力が必要といえるでしょう。今度はタガも合わせて考えておくべきです。

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2013年11月10日 (日)

二百四十七話 採用情勢

 大卒の内定率全国平均が上がる中(厚生労働省の調査で前年同期比3.2ポイント上昇)、日経の調査では関西企業の内定率は芳しくありません。今春実績比で2.8%ダウンしています。要因は製造業の6.4%のダウンで、大きく足を引ぱっています。大阪税関の輸出の数値は7か月連続増加するなど、足元の景気は良くなりつつあるようですが、新卒採用には慎重で、長期に業績改善の絵が描けていないことがうかがえます。したがってその分、即戦力としての中途採用への意欲が高まる傾向にあります。大阪労働局の調査で「正社員が不足」とする企業が38.6%、うち3か月以内におよそ8割の企業が中途の正社員採用を予定しているとのことです。
 中小企業にとっては、この数年新卒採用の環境は良かったといえますが、次第に厳しくなりそうです。ただ、関西圏では上述のことから、また中小企業への意識もやや改善されていることから、来春に向けてはまだ劣悪な情況とまでは行かずに済みそうで、新卒もしくは第二新卒で行くか、中途にするか迷いどころです。一人の値打ちが重い中小企業にとって、採用は悩ましいかぎりですが、人を選べる立場を維持することが大切と思われます。そのため採用にかぎっては、先手必勝といえそうです。

来年の大河ドラマは黒田官兵衛ですが、官兵衛ゆかりの地域では、効果絶大の観光を盛り上げようと着々Photoと準備を進めています。不評だった昨年の清盛でさえ、神戸などでも観光客の増Photo_2加でその恩恵にあずかったくらいですから。前半は姫路も舞台の一つですが、先日、姫路に仕事で行った折に、早速、官兵衛御膳(写真左)なるものを頂戴しました。また和菓子も老舗の伊勢屋本店さんから官兵衛三笠(写真右)が出ていて、姫路の会社や商店は、姫路城が工事中というハンディを来年の官兵衛に託しているようです。万が一視聴率はこけても、前半なら大丈夫でしょう。

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2013年11月 3日 (日)

二百四十六話 百田尚樹講演

 町内にあるウェスティンホテルの20周年記念で百田尚樹さんの特別講演会が28日にありました。ABCの探偵ナイトスクープなどの放送作家でもあり、処女作「永遠のゼロ」で320万部を売1_2った大ベストセラー作家で、トークも面白いとは聞いていましたが、これほどとは。機関銃のような早口と情報量で400名の参加者が笑いと感激の時間を忘れる充実した2時間、予定は1時間半でしたが、30分延長のおまけ付きでした。2
 そんな百田さんも、処女作のヒットから年2作ペースで出版していたのが、急に書けなくなってしまったそうです。それは東北の震災からの無力感で、何を書いても「無駄だ」と感じたと言います。そんな折に、戦後すぐに起こった日章丸事件の話を知り、調べてみると一民間人が大英帝国と石油メジャー相手に戦った凄い話なのに、自分も含めてほとんどの人が知らず、今の日本の状況とも重なり、「これは書かねば」と思ったそうです。少しその話を喋った講談社のノンフィクション部の編集長からある日、ダンボール箱いっぱいの資料が送られてきて、調べれば調べるほどとんでもない事件であることがわかり、7か月で一気に書き上げたのが「海賊とよばれた男」ということでした。当初はこんな男が日本にいたのかという思いで、主人公である出光の創業者出光佐三の物語を書いていたそうです。ところが調べて行くうちにわかったのは、実はそうではなく、出光がイギリスに勝ったのは、出光佐三だけでなく、そのような気質の凄い連中が大勢いたからということでした。戦後の焼け野原を見て当時の世界の多くの著名人が、「あと50年たっても日本は世界の最貧国のままだろう」といわれた国が、たかだか20年でオリンピックを開き、新幹線を走らせる驚異的な復興を成し得たのは、戦後のあの状況にもかかわらず卑屈にならず世界を相手する気概を持った人たちが大勢いたからということに気が付いたからと言います。
 こう聞かされると、もはや百田尚樹を読まずにはおれませんね。

 こちらは帝国ホテルで29日に行われたモンシェールさんの10周年記念パーティです。500名の参加者に、司会は高島彩さん、トップの祝辞が元ソニーCEO出井典之さんと豪華なPhoto_2メンバーで始まり、金美花社長の相変わらずよどみないトークでこの10年の軌跡を紹介されました。今や上海、ソウル、香港を含め、35店舗を展開し、売上44億という数字をたった10年でつくったのですから3、まさに大したものという他ありません。この急成長がどれだけ大変か、金社長がインフルエンザで一度休んだ以外、休日をとったことがないという協力業者の方の証言が物語っています。
 金社長は海外展開する前、欧州へ視察に行き、拡大路線を選ぶか、現状でまとまるか、1週間悩んだそう2_3です。本場のスイーツを見て拡大路線を決断するに至ったのは、「10数年前に起業を思い立つきっかけとなった、本場のお店は今も魅力的で変わっていないが、一つだけ違ってしまったのは、スイーツ自体はもはや1_3日本の方が優れている」ことだったそです。その証拠に、世界中から日本のスイーツを視察に来ていて、あと5年もすれば日本のスイーツが世界の標準になると言われていました。彼女の見た目のかわいらしさと商品がスイーツということで見誤ってしまいがちですが、実に志が高いのです。見ているころが違うのです。

 それにしても、人脈が凄いですね。大きくなってもそれを大切にされるところが強さの一つなのでしょう。最後にサプライズゲストで、巨人楽天の試合の国歌斉唱を蹴って駆けつけたという、なんと郷ひろみが現れ、しゃれたトークと2曲歌ってくれました。ずいぶんと得した気分で帰りました。
 
 

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