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2013年11月17日 (日)

二百四十八話 ベア①

 トヨタの今期の業績予想が2兆円を超えるなど、凸凹はあるものの大手の業績が概ね好調で、賃上げの環境は整いつつあるといえます。業界、産業界を引っ張る立場にある企業としては、政府の賃上げ要請にこたえなければならなくなってきました。消費税増税後の懸念はあるものの法人税下げ、雇用法制などがある程度進めば止む無しとの考えもあるでしょう。また、先日もコマツの坂根元会長が「余剰人員という足枷をのぞけば、日本企業の人件費当りの生産性はけっして低くない」というようなことをTVで話し、日本を生産拠点とする方針を打ち出していましたが、競争力にも自信が戻りつつあるのがうかがえます。これらは円安の影響が大きいでしょう。国内に生産が戻りつつあります。
 賃上げを考えた場合に、大きな要因は三つです。一つは物価、二つには競争力、もう一つ大きな要因は需給ギャップです。その点では、二つの外堀が埋められ、残る要因は人不足となります。
 即戦力型の中途採用などは採用が厳しくなってきました。いろいろな業種で人材不足による雇用難が始まりつつあります。ずっと横ばいだった初任給相場(今年などは少し下がっています)が上がれば、賃上げは本格化します。中小企業も対岸の火事ではなく、賃上げを考えなくてはならなくなってきました。

村上春樹も通った、50年の歴史を持つ神戸の老舗ピザ店「PINOCCHIO」には、ピザに開業以来の通しナンバーが振られたプレートが付いてきます。「昔と変わらぬ味」を約束する店のブPhotoランドの証となっています。このことから、ブランドとは「顧客との約束」といえます。この「約束」のお蔭で、値段は少々高くとも顧客は他を差し置いて選んでくれます。でも顧客が期待したものがそこにないとがっかりします。と、同時にブランドは失墜してしまいます。一度でも約束を破られると、「また食べに来よう」と思わなくなってしまいます。ブランドの維持とは厳しいものです。「PINOCCHIO」はナンバープレートをつけることで、自身にもタガをはめているのかもしれません。阪急阪神ホテルズから始まった食品の偽装表示は著名ホテルやレストランのブランドを失墜させましたが、それを回復させるにはブランドを立ち上げた時より労力が必要といえるでしょう。今度はタガも合わせて考えておくべきです。

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