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2014年10月

2014年10月26日 (日)

二百八十六話 中小企業の企業年金

 厚生労働省は日本版401Kについて、掛け金を個人でも出せるようにしたり、上限を年収比例にして上げる案を出すなど、使い勝手を良くする方向でようやく動きはじめました。でも、これらは当たり前なのであって、もっと早くしないとならなかったのです。
 現在、100名未満の中小企業の退職金給付は、退職金制度がある会社が72%、企業年金のある会社が18.6%です。これが2008年当時では、退職金制度がある会社が82%、企業年金のある会社が30.2%だったのです。このわずか6年で、中小企業の退職金は明らかに後退してしまいました。政策の失敗です。なぜなら、益々公的年金は減っていくわけですから、老後への備えに退職金の役割は高まるばかりなのです。
 2008年にこの二つの導入率が今より高かったのは、適格年金のおかげです。中小企業にとって、適格年金は非常によくできた制度だったのです。それが、当初の高い保証利回りのために多額の積立不足が生じているとして、適年は廃止となりました。かわりに401Kが出てきたわけですが、退職債務を心配しなければならない上場企業とちがって、中小企業にとって積立不足など実際にはほとんど関係ないのです。適格年金は、社員の退職金を個別に積み立てるのではなく、プール型だったのですから。アバウトといえばアバウトなのですが、それよりも企業年金がない、退職給付がないというよりも余程マシなはずです。
 でも。いまさら愚痴を言っても始まりません。もう元へは戻れません。401Kをもっと使いやすくし、少人数の中小企業でも導入してみようかと思える制度にして欲しいものです。

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2014年10月19日 (日)

二百八十五話 70歳雇用

 日用品卸大手のPaltacという会社が、パート社員を含む全従業員7400人を対象に70歳まで雇用する制度を導入します。他に大手では東急リバブルが正社員の70歳雇用をすでに導入しています。どちらも、定年60歳後の雇用延長です。
 このような動きは、大手では珍しいかもしれませんが、中小では以前から普通です。中小はどこも人材の確保がままならないので、熟練者は貴重なのです。但し、一方で平均年齢を押し上げてしまうのも事実です。
 熟練者が多いのは良いのですが、平均年齢が高いとどうしても職場に活気がなくなります。ムチャをしなくなりますし、チャレンジや新しい発想が乏しくなりがちです。自社の社員の平均年齢が40歳以上なら注意をすべきでしょう。できれば37歳未満にしておきたいところです。銀行の融資や取引先のチェックも入りそうです。
 難しいのはやまやまですが、できれば20代を入れて平均を下げたいものです。高齢化に慣れてしまうと、気にも留めなくなり、上がる一方になってしまいがちです。やはり、意識しておきたいものです。

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2014年10月13日 (月)

二百八十四話 ロイヤルホストのパート賃金

 外食産業やスーパーなどの小売業は。パート・バイトについてどこも競うようにきめ細かな処遇を行うようになってきました。ロイヤルホストはメニューの高級化で他のファミレスとの差別化をいち早くはかり、値上げをしましたが、増客と平均客単価のアップに成功して業績を回復させました。その原資をもって、パート・バイトの時給を増額しましたが、一律ではなく、指導役というクラスの時給を20円増額しています。ロイヤルホストのパート・バイトの制度は初心者、指導役、責任者クラスの大きく3階層に別れ、各階層をまた3つに分けています。また、各階層に3つのポストをセットし、時給者の職能等級のような制度になっています。その中で、一律ではなく指導役クラスのみ賃上げしたというのは、なかなか目のつけどころが良いといえるでしょう。普通は採用と定着のために、初心者クラスを上げたいところですが、このクラスはバラつきが大きく、働く動機もまちまちで定着ももともとままなりません。ここを底上げするより、一つ上の指導者クラスを上げれることで、指導者クラスのモチベーションのアップをはかり、ていねいな指導をさせるとともに、初心者クラスの上位クラスへの向上心をあおる効果を生みます。やる気のある者だけが定着することにつながるでしょう。業績が上がると良いアイデアも出てくるみたいです。
 

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2014年10月 5日 (日)

二百八十三話 世界共通の人事評価

 成果主義以降、大きなトレンドが見えなかった人事制度ですが、大手企業はここへ来て、危機感を持って慌ただしく制度改定を進めています。新しいキイワードは「人事のグローバル化」です。日立、富士通、パナソニック、ソニーと、どういうわけか同様の動きです。日本は一度流れが定まると、皆同じように一斉に動き出します。
 各社に共通するのは、等級制度と人事評価の世界共通化です。それは、人事の基準が「人」から「仕事」へ移ることを意味します。「人」の属性である、年齢、性別、勤続では世界から有能な人材を集めることはできません。また、日本の能力主義人事は、これまでうまく機能しましたが、残念ながら人にくっついた「能力」はハッキリとは見えず、グローバル基準に向きません。したがって、どのような仕事に就いているか、どのようなポストにいるかで処遇が決まるグローバルな人事制度の採用ということになります。
 このように大手の人事制度はグローバル化へ突き進むことになりますが、さて、中小企業はどうすれば良いのでしょうか。世界から人材を集めるわけでもない多くの中小企業にとって、人事のグローバル化はさほど意味があるとも思えませんが、ならばこのままで良いのでしょうか。
 大手企業が、人事でなかなかグローバル化できないことが一つだけあります。それは新卒採用です。極端に新卒にこだわるのは日本の大手企業だけです。この点は中小企業の強みです。中小企業は新卒にこだわりません。というか、こだわっていたのでは人材が採れません。したがって、第二新卒や中途採用、高齢者活用などは、中小の方が一歩先を行っていてノウハウがあります。
 日本独特の定期採用制度もいずれは変わることでしょう。その前に、中小企業は今まで以上に凸凹の人材を活用するすべに一層の磨きを掛けておくべきと思われます。

東進ハイスクールの林修先生が9月2日放送の「痛快!生きざま大辞典」で落語界の爆笑王として故桂枝雀師匠をとPhotoりあげて熱弁されていました。その中で、今一番好きな落語家として枝雀の一番弟子の桂雀三郎さんをあげていました。「とくにこの2,3年の雀三郎さんはすごい。名人の領域というのは、こういうことをいうのか」と語っていました。わたしも同感です。このところの雀さんはほんとうに凄い。話に吸い込まれるとはこういうことかと思ってしまいます。今年も桂雀三郎独演会が、11月15日にサンケイホールプリーゼであります。去年は仕事で行けなかったので、今年はなんとか見れるように祈るばかりです。

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