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2015年3月

2015年3月29日 (日)

三百七話 パートの定昇

 スーパーのライフが、この5月からパートさんにも定昇を実施します。これまでは、等級が上がらないと昇給がない、いわゆる昇格昇給のみだったのですが、等級内でも毎年に評価に応じて昇給をしようというものです。
 時給を5円~10円上げるようですが、評価が悪いと上がらない、つまり定昇なしとなります。もちろん、狙いは人材の囲い込み、特に優秀な人材の確保と思われますが、2万人のパートさんが対象ですから、原資は1億円くらいのアップが予想できます。しかも毎年ですから、思い切ったものです。
 ユニクロはパートさんの正社員化を掲げましたが、ライフはパートさんの定昇という掟破りともいえる方法を採りました。それほど、人材がひっ迫しているということでしょうが、「正規社員という固定型労力」に対しての「非正規社員という変動型労力」の図式は明らかに変わりつつあります。
 ところで、ライフの定昇が成功するかどうかは、評価制度に掛かっているといえます。そのポイントは評価者にあるでしょう。納得性を考えれば、一人の評価者で15人くらいが限界です。つまり、千人くらいの評価者が必要になるということです。優秀なパートさんの定着には、優秀な管理監督者を育成しないとならないわけです。しかも、もはやそれは、「しくみ」でカバーしないとできない人数と思われます。

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2015年3月22日 (日)

三百六話 クイーンエリザベス

 18日に神戸港に急遽、英国のクイーンエリザベス号が入港しました。南太平洋で発生した大型サイクロンを回避するための遅れを取り戻すために、横浜港の寄港を変更し、神戸港にしたとのことです。横浜港への寄港は橋をくぐり抜けるために、干潮時に合わせねばならず、タイミングが合わなかったことから神戸になったみたいです。
 Photo神戸は大型船がきわまで入れる港がある数少ない大都会です。今年は40隻近く、大型クルーズが来港するみたいですが、神戸市もその実力のほどをもう少しアピールしなければなりません。かつては神戸株式会社と揶揄されたりしましたが、近年どうも自信喪失気味に見えます。久々に訪れた外国人観光客増加の波に乗Photo_2らない手はないでしょう。なんとか頑張ってほしいものです。
 クイーンエリザベス号は、大きいだけでなく気品漂うその容姿は見ておく価値はあります。19日夜の出港を見に行きましたが、大勢の見物客で波止はいっぱいでした。目の前で悠然と方向を変え、次の寄港地の釜山に向かいました。
 ところで、夜空に青や赤色で点滅する物体が三つほど船の周りを飛び交っていました(写真右)。正体は無線で飛ぶ4枚羽のヘリ、ドローンです。2年ほど前に来港した大型クルーズ、ボイジャーオブザシーズの時にはそんなものは見られませんでしたから、進歩は早いものです。わたしの近くで飛ばしていた人は、新聞社やTV関係ではなく、ただのラジコンマニアのようでした。Ipadに写った写真を見せてもらいましたが、驚くほどきれいに撮れています。凄いことです。

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2015年3月16日 (月)

三百五話 21世紀型社会

 社会学者の藤原和博さんが、みんな気が付いていないが、ある時を境に20世紀と21世紀とで線を引くようにはっきりと社会が変わったといっています。その境とは、1997年だそうです。97年までは、みんな一緒、あらかじめ用意された正解があって、そこへ真っ先に行くのが良しとされた20世紀型の成長社会でした。ところが、98年以降は、時代が変わり、価値観がひとり一人へシフト、決まった正解はなく、あるのはそれぞれの納得解だけ、情報も自ら編集する力が求められる21世紀型社会が始まったとしています。
 この指摘は会社の人事制度にもあてはまります。98年以降、成果主義が登場し、それまでの能力主義に変わって新しい価値観による新しい人事制度がトレンドとなると専門かも企業もみていました。ところが実際には、成果主義は各社に共通した新しい価値観、新しい方法論を提供するものではなく、多様化のはじまりだったわけです。つまり現在は、それぞれの企業がそれぞれの価値観を見出さねばならず、それに適した各社各様の人事制度を模索する時代なのです。そのような変化に社会全体がようやく気がつき始めたというのが本当ではないでしょうか。

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2015年3月 8日 (日)

三百四話 人事評価に不満

 3日に日経が自社の人事評価についての意識調査結果を載せていました。「不満」「どちらかというと不満」が37.8%、「満足」「どちらかというと満足」が19.0%で、およそ4割が評価に不満で満足の倍あるというわけですが、まあ、そんなものだと思います。人事評価をすれば、全員が良い評価ではなく、必ず悪い評価が出るわけですから、当然といえます。悪い評価結果だった人に、悪い理由をいくら説いても、また、本人が「わかりました」といったとしても、心底から納得などしないでしょう。ほとんどの人は皆、自分はよくやっていると思っています。このようなアンケート調査ではそれがそのまま出てしまいます。
 良い評価、悪い評価というのは、期待に対してです。期待が高くなれば、悪い人、つまり期待以下の人が増えます。或いは期待以下の評価項目が増えます。会社は「仕事の質」を高めるために、「期待を上げていくもの」ですから、4割程度の「評価に不満」は永遠になくならないといえます。
 でも、だからといって、人事評価が不要なのでも、評価の説明が無駄ということでもないでしょう。どこが期待以上で、どこが期待以下だったか、なぜそうなのかを伝えることは、公平な評価もさることながら、仕事を高めて行くことを考えれば、値打ちのあることに違いないのです。

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2015年3月 1日 (日)

三百三話 賃金の選択

 これまで日本の賃金のかたちをつくって来たのは製造業のそれだったといえます。現在でも主流といえる職能資格制度は、ほとんどの日本の製造業にフィットします。賃金のあり方というより、仕事のあり方、マネジメントのあり方に合っているといえます。とくに知識。技能、習熟能力の積み上げを信条とする考え方は、社会的なコンセンサスを形成するまでになったといえます。確かに、それが日本の強みであり、競争力の源泉となってきました。今も重電や重工業などには、何代にもわたって高度な技術を継承している人が多くいて、現場の要になっていたりします。
 けれども一方で、アセンブリを中心とする電子製品の製造などは、様相がかわってしまいました。極端にいうと、設備と人を揃えれば、どこでも作れるということで、「蓄積」ではなく、「企画」が勝負の世界となってしまいました。そこはこれまでの職能給型よりも、時価主義型の仕事給型がフィットする仕事とマネジメントの世界なわけです。まさに意識の変革を迫られています。
 同様のことが、サービスや流通業にもいえます。他国と比較して、日本のサービスや流通業の生産性の低さは賃金制度と無縁ではありません。いずれは、マネジメントを変え、賃金のしくみを変えないとならなくなるでしょう。
 これから日本が選択しなければならないのは、「正しい賃金制度」ではありません。その仕事やマネジメントに相応しい賃金制度なのです。つまり、社会が「どちらも正しい」という考え方を受け入れられるかどうかといえます。このような国は、まだどこにもないと思います。日本が成し得れば、さらなる発展は間違いないと思われます。

家内の知り合いが樽作りのでもストレーションをするというので、近所の菊正宗の樽開きに行ってきまし1た。樽作りはまさに伝統の継承の塊です。見ているうちに4斗樽が華麗にできあがります。どれをとっても無325駄なく理に適った職人技です。親方の解説によると、昔は職人見習いで入って、手伝いのために工房をうろうろしていたのがいて、「うろうろ」と呼んでいたそうです。その「うろうろ」の中に、器用なのがいて、親方の技を見て6盗み、仕事後の夜中に練習したりした者が樽作り職人になったということで7す。今、そんなことをしたら成り手はありませんが、合理的に人材を選抜するしくみができていたわけですね。

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