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2015年4月

2015年4月26日 (日)

三百十一話 有給休暇消化率

 3日に改正労基法案が国会に提出されました。中小企業にも大きく影響するものがいくつかありますが、その一つに「年休の5日取得義務(来年4月1日施行)」があります。有給休暇はあるものの中々消化されない(民間企業取得率48.8%厚労省14年)ためのようですが、裁量労働制の拡大などの法案とのカウンターの意味合いもあるのでしょう。
 よく比較される例に、欧州などの有休取得率があり、「日本は働きすぎ」などと、いわれたりします。しかし、そもそも欧州などとは有休というものの概念がかなり違うようです。
 愛知県のパリ産業情報センターがフランスの有休についてレポートしていて、そこから代表的なポイントを3つ押さえることができます。まずはじめに、フランスは法定の支給日数が30日で100%消化されているのですが、有休の取得は会社が日程を決めて与えるものとのことです。つまり、有休は労働者の権利というより、雇用者の管理義務の面が強く、したがって病欠に当てることは原則禁止されています。次に、2週間はまとめて取らないとならないなどの規定があり、これはバカンスの慣習から来ている様で欧州全般に見られるみたいです。すなわち、フランスをはじめとする欧州では有休は時間ボーナスの色彩が濃いというわけです。最後に、昨年フランスで画期的な制度が成立しました。同僚から有休の寄付を可能とする法制です。有休を他の人に分け与えることができるわけです。お金で買ったり、別の何かとバーターがあるかもしれません。日本では考えにくいですがまさに、時間ボーナスで、日本とは「公平」の考え方が違うと思ってしまいます。
 このように見て行くと、有給休暇と名がつくものの、日本のそれとは異質なものと言えそうです。到底、比較の対象にできるとは思われません。中小の現場からすると、どうも、この制度は場当たり的につくられ過ぎている感が拭えませんね。

ニューヨーク近代美術館でも扱われている、世界的に有名な大阪の鉛筆削りメーカー中島重久堂から新開発のつなぐ鉛筆削り「TSUNAGO」が送られてきました。1年くらい前Photoに、ミューPhoto_2ジックセキュリティズが扱う開発ファンドに出資していたのが、ようやく製品化されました。写真のように凸と凹で短くなった鉛筆をつなぎ合わせる道具で、コンセプトは「もったいない、モノを大事にしよう」ということのようです。中島重久堂の鉛筆削りは、小学生の頃に使っていたそれからすると鉛筆削りの概念がひっくり返ってしまうような、サクサク切れるのが快感ですが、今回の「TSUNAGO」はその真骨頂といえる仕上がりです。そういえば、小学生の頃、よく鉛筆をナイフで削ってサイコロを作ったりしていました。「もったいない」というより、ああいうプリミティブなつくる愉しみを思い出させてくれる逸品です。

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2015年4月19日 (日)

三百十話 中小の賃上げ②

大阪シティ信用金庫が府内の中小企業の賃上げ状況を発表しました。1170社のアンケート調査で、その8割が20人未満というデータです。それによると賃上げ実施企業は25.4%、実施企業の賃上げ率は2.77%となっていて、業種別では小売業のみが両方とも上がっているものの、全体平均ではどちらも昨年(実施27.6%、率2.77%)よりマイナスです。それに引き換え19日に載った、大手中心の春闘の日経の集計では、ベア実施企業が半数を超え、率も2.43%(昨年2.14%)と98年以来の水準となったということですから、対照的な結果となっています。
 中小企業の調査結果で、賃上げした企業の実施理由としては「業績向上」が63.9%の一位だったのですが、賃上げしなかった企業の一位は「景気の先行き不透明感」で63.5%です。つまり、少人数の企業は足元の業績というより、この先の不安感というマインドが、まだまだ回復していないということになります。アベノミクスの成否はこれからの先行きを示せるかにかかっているといえそうです。

6年もの間、改修工事をしていた姫路城がようやく終えて、上がれるようになりまPhotoした。唯一の観光資源といえるお城が使えずで、姫路の人たちはよく我慢したものです。お蔭で見違えるほど美しくなった天守閣目当てに、平日にもかかわらず街は観光客で賑わっていました。外人観光客もいっぱいです。それにしても改修後の天守閣は本当に白い。おそらく50年前の昭和の大修理の直後もこんなだったのでしょう。今年いっぱいくらいは今の白さでしょうか、白い間に一度ご覧あれ。
Photo_2禄創業の伊勢屋本店さん(写真の本にも書かれています)の姫路銘菓玉椿の餡は白いPhoto_4のですが、白餡ではありません。白いあずきで甘さが口に残りません。さすがに献上菓子とあって上品な味です。



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2015年4月13日 (月)

三百九話 レゴの経営危機と復活

 ブロック玩具のレゴはデンマークで1932年に創業した老舗の非上場会社です。ブロック玩具に特化し、飛び抜けた高い収益力(売上高4310億円、営業利益1410億円、自己資本利益率58.4%グーグルで18%程度)を誇ります。デンマークの片田舎の小1さなオモチャメーカーが、80年以上も継続し、しかもグロバール化に成功、まだ成長し続けるという不思議な会社です。さらに、率いるのは若い雇われCEOで財務出身というオマケつきです。
 実はこのレゴ社も2003年頃に倒産しかかりましたが、それを劇的に立ち直らせたのが当時35歳でCEOに抜擢されたクヌッドストーブ現CEOです。レゴは90年頃から、類似製品の台頭とデジタル化の波に押され、業績が毎年下がる経営危機に陥ります。当時、創業家が難局打開のために招いたCEOが、再建請負人と称された著名な人物でした。新CEOのもとで多角化に向けて7つの改革が実行され、一2_2度は最高益を叩き出すも急降下し、倒産の危機に会います。原因は7つの改革全部を一度に行ったことと管理がずさんだったことのようですが、交代したクヌッドストーブは今、何をすべきかと長期に何を構築すべきかを分けて、再建を見事に果たしました。財務出身で常に冷静でカリスマ型でない、この若いCEOも凄いですが、役員たちの反対を押し切って抜擢し、前回の失敗を取り戻した創業家もたいしたものです。レゴの危機と成功のストーリーは、商品・サービスの陳腐化、IT化・ネット化の波など、同様の状況にある中小企業も多いと思われ、参考にできそうなことがいっぱいです。

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2015年4月 6日 (月)

三百八話 だれでも401K

 2001年にはじまった、500万人が加入する日本版401K(確定拠出年金)が大きく変わりそうです。大きな改正点は3つ。一つは、401Kには加入のタイプに企業型と個人型とがありますが、現在18万人に留まる個人型に、主婦、公務員、会社員(年金加入)の2700万人が個人型の対象に加わること。二つ目は、個人加入の401Kを勤務先へ移管できるようになること。三つ目は、中小企業のための簡易型401Kができることです。

政府の狙いは、財政が悪化する一方の公的年金を補完する私的年金の拡充というのが建前です。でも、もちろん株価など金融市場への後押しがあり、解散が続く厚生年金基金の受け皿の役目も大きいと思われます。
 現行の企業型加入で最も不便な点は、転職や出産などで退職した場合に持ち運べなかったり、手続きが煩雑なことから、掛け捨てになるケースが多発することでした。ここが改正されれば、税的には非常に優遇されている401Kがもっと普及することになるでしょう。これを逆に見ると、政府は転職しやすい環境を整えようとしているともいえます。401Kにさほど関心がなかった中小企業も、人材の獲得のために導入するケースが増えることになりそうです。
 

 

 

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