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2016年6月23日 (木)

二百七十一話 賃金のハイブリッド

 日本生産性本部による上場企業対象の調査(2013)で、職能給の導入率が管理職で69.2%、非管理職で77.3%、職務給・役割給の導入率が管理職で79.2%、非管理職で58.4%となっています。この調査で職能給と職務給・役割給の両方の率を足すと100%を超えてしまうのは両方の賃金制度を導入している企業があるからですが、これをハイブリッド型賃金と呼んだりします。また、管理職と非管理職とで率が異なるのは、非管理職までは職能給、管理職以降は役割給に変えるなどしているからです。
 ハイブリッド型賃金は、能力主義賃金から仕事給型賃金への「過渡的なもの」ともいえるでしょうが、むしろ、それぞれの賃金の長所を活かすという「積極的な採用」の面が強いと思われます。すなわち、非管理職層についてはポテンシャルも含めた能力向上がやはり大切で、賃金は生活給にウェイトを置いた積上げ安定型の職能給が適合するというもの。また、管理職層については培った能力を発揮し成果重視型で、賃金は一定水準以上あることから、どのような仕事に就き、どのような成果を上げたかで変動する職務給・役割給がフィットするというものです。
 では、中小企業でどうかといえば、ハイブリッド型賃金の兆候はありません。一番の理由は「制度が複雑になる」からと思われます。だとすると、制度が複雑にさえならなければ、導入が拡がる可能性はあるのかといえば、答えはイエスでしょう。職能給を導入している中小企業で、現在でも管理職についてはその運用を仕事給型にしているという傾向が少なからず見られます。中小企業は名よりも中身が大事なのです。

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