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2016年6月 2日 (木)

二百六十八話 再雇用賃金引下げ違法判決

 最近、関与先で必ず訊かれる話題が表題の件で、賃金では最近でもっとも関心が高いといえます。横浜の運送会社の定年後再雇用の運転手3人が仕事が同じなのに賃金が引き下げられたこと(7~8割)に対して訴訟を起したものです。東京地裁は違法判決を出し、定年前と同水準の賃金の支払い(一人当たり98万~204万)を会社に命じました。
 この判例ではポイントが三つあるように思います。一つは、仕事が同じなのに賃金が下がったことが違法としている点です。これを指摘されると、訴訟があれば、ほとんどの中小企業は違法となるでしょう。まだ、地裁段階ですのでこのまま一般化するとは思われませんが、困ったものです。但し、留意すべきは「コスト増大を避けつつ高齢者の雇用を確保するために、再雇用後の賃金を引き下げること自体は合理的」とした上で「仕事内容が同じ場合は較差があってはならない」としている点です。つまり、対応策としては何らかで仕事や責任に違いを設けておくことです。
 二つ目は、60歳以降の高齢者雇用が賃下げの引き換えにならなかった点です。2013年に継続雇用が義務化され、もはや特別ではないというわけです。
 三つ目は、この考えを進めていくと、年齢による賃下げは違法、年齢による格差は違法になっていくことです。ということは、かなり普及している年齢給(2013年生産性本部調査で48%)は違法となりかねないわけです。
 これらを考え合わせると、社会通念からして、この判決は時期尚早に思われますが、流れは徐々に「賃金は仕事の対価」という「仕事基準」に傾斜しつつあります。

長く関わらして頂いています会社の創業80周年の記念に、弊社の名前の入った記念プレートを頂戴しました。厚いPhoto鉄板がレーザーで精密にカットされています。凄い技術ですが、わたしが知っている間でも技術革新、最新設備の導入、増強は何度もされています。まさしく伝統を守るだけでは、80年は積み上がらないことを証明されています。

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