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2016年11月21日 (月)

二百九十話 賃上げ要請

 12月あたりから来年4月の賃上げに向けて労使交渉が始まります。政府も賃上げを経済界に要請し、多くのエコノミストも景気の循環をつくるために必要と説いています。まだまだこれからですが、今回の賃上げはおそらく為替の動向が大きく影響するのと、中小の景気次第と思われます。
 今のところ、春闘を事実上引っぱる大手製造業からすると、米国の景気高揚や利上期待で仮にこのまま円安に推移すれば、輸出メーカーの業績の見通しは良くなり、賃上げ気運は高まるでしょう。しかも、この3年で賃金は上がりましたが、円安効果で相対的に賃金の国際競争力がもどり、ベアの余地が出てきます。逆にトランプの経済政策の中身が空振りでまた円高に振れれば、日本の景気期待も萎んでしまいますし、賃金の国際競争力も低下します。もちろん、賃上げどころではなくなります。
 但し、仮に円安に振れたとしても、中小企業においてはベアの余力はあるように思われません。景気は低迷する中、コストアップの施策ばかりですから、無理と言わざるを得ません。大手の労働組合は表向きは月例給与のベア確保と言っていても、今年も昨年同様に中小の組合に配慮せざるを得ないはずです。そうしないと、組合内の格差がまた拡がってしまいます。それは最も避けたいはずです。
 そのように考えると、上がる方向に見ても、非正規社員の格差是は進むでしょうが、正社員の賃金カーブは上がる要素がほとんどなく、賃上を引張るのは、人手不足による初任給アップくらいです。この4年間では最も低い賃上げ相場になると思われます。

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