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2016年12月

2016年12月25日 (日)

二百九十五話 働き方改革ガイドライン案

 20日付で働き方改革実現会議による「同一労働同一賃金ガイドライン案」が発表されています。前回に載せた非正規の賞与もその一つです。この中で注目すべき点の一つは、賃金項目の定義付けを国があらたに示したことでしょう。初めてではありませんが、大きな意味を持つように思います。
 基本給、手当、賞与のそれぞれの意味合いを位置づけています。とくに重要となる基本給は、(1)職業経験・能力、(2)業績・成果貢献、(3)勤続の三つに分けています。これまでは企業によって様々で、定かでなかった賃金のあり方について、このように定義のサンプルを示したことは大いに評価できるでしょう。
 但し、この三つの区分は少し変です。たとえば、(1)職業経験・能力とは「仕事の経験や能力に違いがあれば差があってもOK」という意味なのですが、そうするとこの区分には肝心なものが抜けています。それは現在の「仕事」です。「同じ職務であるにも拘らず」という前提なのでしょうか。確かに補足の注釈にはそのようなことが書かれていますが、明確ではありません。そういえば、会議のメンバーの有識者には賃金の専門家が入っていません。ちょっと、「賃金」を甘く見ているのではないでしょうか。
 それでもこのような議論により、これから日本の賃金は非正規も含めて、整備・体系化がさらに進むに違いありません。非正規も含めて、格差が説明できる賃金を各社が模索しはじめることになるはずです。欧米のように業種別組合がなく、賃金制度の体系化が企業に任されている日本の人事のあり方にとって、一つの転換点になるかもしれません。

神戸港を見ても船の往来はけっして少なくありません。リーマン前近くに戻ったと思われます。定期航路は運べば01運ぶほど赤字になるらしい、コンテナ船も多いのですが、やはり港に活気があると嬉しいものです。トランプ効果で来年はもっと期待できるでしょうか。

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2016年12月18日 (日)

二百九十四話 非正規の賞与

 16日の日経に「非正規にも賞与」という見出しが一面に載っていました。働き方会議への政府のガイドライン案です。経営者にとっては、「またか」であり、合点のいかない、看過できない記事だったことでしょう。
 11月に独立行政法人経済産業研究所が正社員と非正規社員(有期雇用者)の賃金格差の調査分析結果を報告しています。それによると、単純平均の男女計で非正規は36.5%低く、従来からいわれているような結果です。けれども、学歴、年齢、勤続年数、職種などの属性を加味して整理すると、時間当たりの賃金で差は8.8%になり、しかも女性間のみで見ると差はほとんどないとしています。これは、欧州の同様の分析と較べても、同程度かそれ以下になるということです。
 このことは、政府が掲げている同一労働同一賃金の議論の前提が崩れてしまうことになります。そこで、冒頭の政府が示したガイドライン案を勘ぐりたくなります。つまり、今度は賞与をターゲットにしようという意図が見えてきます。非正規にも貢献度に応じた賞与をというわけですが、実態を考えれば、そのようなことができるわけがありません。そもそも、配偶者控除の改革も中途半端なままで、月例給与にプラスして賞与を払えば、年末の忙しい時などに余計に時間調整してしまうでしょう。それでなくとも人不足なのですから、実態を知らない、とんでもない話となります。賞与のあり方などはそれぞれの会社に任せないと絶対になりません。
 厄介な問題は棚上げし、文句が出にくいような、やりやすいところからしようという、政治家と官僚の姿勢が気にいりません。このままだと、この春闘は政府の思惑通りいかないに違いありません。
 

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2016年12月11日 (日)

二百九十三話 中小企業の賞与動向

 大手の賞与は日経によると経団連調査加重平均で92万7892円と前年比0.84%(7707円)増の僅かですが4年連続の増加です。中小企業は大阪シティ信用金庫の調査で次のように出ています。但し、大阪府下約1000社、20人未満の中小がおよそ8割を占めるデータとして見る必要があります。
 一人当たり支給額は277,086円で1,061円、0.38%の増加でこちらも4年連続増です。これは、支給があった会社の集計ですので、支給割合を見ておく必要があり、むしろこちらが景気の指標となります。「支給する」会社は61.5%、昨年比3.9ポイント増でこれも増加ですから、正味良くなったといえそうです。但し、「支給する」割合はリーマン前からするとまだ10ポイントも下がったままですから、中小企業はアベノミクスの恩恵をまだそれほ受けていないのです。
 業種別では、「支給する」割合が大きく伸びたのは小売業で11.0ポイントの増加です。但し、比率は業種中最低の45.8%となっています。
 また、今回の調査では興味あるアンケートをしています。支給は「収益に照らしてどうか」というもので、全体の約2割の会社が「無理をしている」と回答しています。業種別では、小売業と製造業がともに22.2%で最も高くなっています。時系列の調査がないので2割が例年より多いのか少ないのか、はっきりとはわかりませんが、感覚的には、やはり人不足による人材確保が影響しているような気がします。

Photo5日ついに日本でも出たアマゾンダッシュボタン。冷蔵庫などに貼り付けておき、ボタンを押すだけで設定しておいた商品が勝手に届くという極小型端末。まさにドラえもんに出てきそうな代物。すでに40種類が提供されている。ボタンはアマゾンで500円で購入し(プライム会員のみ)、その500円は最初の商品購入時に差し引かれるとのこと。配送料も無料。日常的に使う商品は確かに便利そう。とくに高齢者には重宝しそうだが、便利過ぎてなんだか恐ろしい。ボタンを押したのを忘れて何重にも買ってしまいそうだ。先行する米国では過去1年でボタンによる購入が5倍に増えた(日経)とか。小売店にとっては間違いなく脅威になるといえる。

 

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2016年12月 4日 (日)

二百九十二話 セキュラースタグネーション

 先日、日経BP社のセミナーで竹中平蔵さんが世界はセキュラースタグネーション(長期の停滞)に陥っているというのが、著名経済学者の常識になっているといわれてました。そういえば、ノーベル経済学者のクルーグマンも世界中で日本の失われた20年が始まっているといっています。
 竹中さんの話だと、このセキュラースタグネーションから抜け出す処方箋は一つで、貯蓄を投資に振り向けなければならず、したがって二つのことを実施する必要があるとのことです。一つは金利の低下です。つまり、マイナス金利は長く続くと考えておくべきというわけです。もう一つは投資機会を増やす政策です。すなわち、その目玉はインフラの拡充となります。まさに、関空の運用で使ったコンセッションのような公共事業の民間払下げがそうで、まだまだするべきことがあるというわけです。
 但し、これからは第4次産業革命に乗らないとだめだといわれてました。そのキーワードは次の5つだそうです。1)AI、2)ロボット、3)IoT,4)ビッグデータ、5)シェアリングエコノミーですが、日本の現状は〇と?に別れそうです。東京オリンピックの締め切り効果をつかって日本は頭を切り替え、一気に乗れるかどうかというところでしょう。
 「スマホの凄いところは電話と見せかけて、パソコンを持たせたことだ」といったのはホリエモンだそうですが、そのお蔭でビッグデータが蓄積しただけでなく、ユーザー個人がビッグデータで判断できるようになったのがまさしく革命ということでしょう。その素人タクシーが安全かどうか、民泊施設が問題ないかどうか、評価履歴などから判断するのはユーザー個人なわけです。ウーバーやAirbnbだけでなく、「情報を個人が判断し使う」という、日本でもすぐに使えるようなこの分野の新しいビジネスモデルは、まだまだこれから出てくると思われます。

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