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2017年1月

2017年1月29日 (日)

三百話 働かない国

 ある経営者の方が日本は「働かない国」になってしまったと嘆いてられましたが、確かにそういえる面はあるでしょう。総残業時間規制、有給消化の義務化、有給付与の早期化、インターバル時間制、プレミアムフライデー、長時間労働及び労働時間の適正把握のガイドラインと指導と、政府は矢継ぎ早に労働時間を抑制する法律や政策を繰り出そうとしています。いわば、「そんなに働くな」と受け取れてしまいます。
 現在のこのような流れは、電通事件が加速させたことは確かでしょうが、現在の人不足を働き方改革の良い機会と見ていることは間違いありません。でも、たとえば広告のようなクリエイティブの仕事は「これでもか」と高い質を追求する意気込みまで失ってしまってはならないでしょう。社会全体がそんなことになったら、日本は沈没してしまいます。改めるべきは「長時間労働」=「よくやっている」「貢献度が高い」という図式のはずです。
 いずれにしても、このような「長時間労働」是正の流れは、雇用と働き方を徐々に変えていくことでしょう。直接の影響では、会社は生産性を上げるか、人員を増やすことを求められます。人不足のなかで、モチベーションを高め、人のやり繰りをしないとなりません。採用だけでなく、雇用の維持が大きな課題となっていくでしょう。また、時間で働く社員から成果を上げる社員を評価する必要性もより増すはずです。
 つまり、このような変化はマネジメントのあり方が変わることを意味します。簡単にいえば、増々人を動かせる人が必要となります。これは中小企業には大きな逆風です。現場のマネージャクラスの育成は、喫急の課題といえます。今から、準備をして早くはありません。

明日香出版社のヒット作、ルールシリーズの末席に加えて貰っています自著で2009年に初版を発行した「一人前社員Photoのルール」がリニューアル出版となります。当時は考えられなかった、全員がスマフォというモバイルPCを持つ社会の到来で、社員のネットの対応が会社の命取りになり兼ねない点を増補した改訂版です。3月初旬に発行予定で現在、校正に追われています。表紙も変わりますがまだできていません(写真は初版のもの)。どうぞ、ご期待ください。

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2017年1月23日 (月)

二百九十九話 中小の人材マーケット

 人不足と「働き方改革」の影響で、まだ大きな流れにはなっていませんが、大手の雇用のあり方が少しずつ変わり始めています。たとえば、基幹職としての積極的な女性の採用、通年中途採用の増加、時間限定の正社員、転勤融通の総合職などです。いわば、これらは雇用の多様化であり、これまではイレギュラーだった雇用のレギュラー化といえるものです。でもよく考えると、そのようなイレギュラーは中小企業の専売特許といえるものだったでしょう。ということは、つまり中小の雇用マーケットを大手が浸食しはじめて来たというわけです。よって、今でも人不足で悩ましい中小企業ですが、これから増々、採用が厳しくなると思われます。
 中小企業といってもひとことでは括れませんが、雇用については大手との差別化が採用戦略の一つでした。大手のスタンスが変わり始めている今、中小は戦略の練り直しを迫られています。

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2017年1月16日 (月)

二百九十八話 定額残業制

 日経によると、紳士服のはるやまが1200人を対象に一律月1万5千円の残業代を4月より支払うとしています。1万5千円というのは平均して10時間分の残業代にあたるようで、いわゆる固定残業制ですが、一般には一律〇時間分として時間を設定し、残業代を払う方が多いはずです。それは残業代の削減に主眼を置いているからですが、はるやまの場合は狙いが残業そのものの削減、定時退社にあるからです。残業せず帰社すれば1万5千円の昇給と同じという面を強調しています。
 もちろん、どちらの方式も固定の残業時間分をオーバーすれば、その分を支払わないとなりません。でも、時間設定方式ではサービス残業とまでいわないにしても「設定時間分ぎりぎり働いて退社して欲しい」のが会社の思惑としてあるとすれば、はるやまでそのような結果となればこの制度は失敗と見るでしょう。あるいは、残業は減っても業績がダウンしてしまえばやはり失敗のはずです。おそらく、会社は働き方、仕事の仕方にあきらかにムダがあり、各人がその気になれば充分に同じ仕事を時間を短縮してできると見ているのです。つまり、生産性向上の引き金にしたいわけです。
 はるやまが思惑通り上手くいくかどうかはこれからですが、長時間労働業種にあげられる、運輸、建設、情報通信、不動産、広告宣伝、飲食サービスなど、同様の方法を真似る会社は出てくるでしょう。できる会社は限られそうですが、検討する価値はありそうです。

つい先日、関与先の社長さんに重要取引先の社員から次のような内容の封書が送られてきたそうです。「弊社の社長に内緒のサプライズで誕生日祝いをしたいので、協力金をお願いします。ついては次の口座に3万円振り込んで欲しい。」というもので、少し不自然に思った社長さんは営業部長を通じてその会社の社員に連絡をとってもらいました。すると、まったくの出鱈目とわかり、詐欺だったことが判明しました。双方の社長についての詳細も正確で取引先との関係も合っていたようで、うっかり騙されてしまってもおかしくない内容だったみたいです。新手の振り込め詐欺ですが、まさか、身近に起きるとはですね。気を付けたいものです。それにしても、そんな知恵と努力をもっと真っ当なことに使えといいたいですね。

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2017年1月10日 (火)

二百九十七話 厚労省の長時間労働緊急対策

 12月26日に厚労省から「過労死等ゼロ」緊急対策が発表されました。もちろん電通事件等の影響もあってですが、そもそも長時間労働が働き方改革に立ちはだかる諸悪の根源と政府や有識者会議が考えているからです。したがって、まだまだ厳格になると考えておかないとなりません。
 発表された緊急対策から、主な留意すべき点をまとめると、次のようなことです。
〇申告の労働時間と実労働時間に乖離があれば、会社は実態調査を行わなければならない。〇H29年からは自己啓発などの学習時間も労働時間として取り扱う。〇違法な長時間労働の要件の一つ月100時間超を月80時間超に(H29年より)。〇労災の過労死等が2事業場に認められた場合に本社への指導実施。是正されない場合は公表。〇36協定未締結事業場の指導徹底。〇業界団体への長時間労働の背景となっている取引慣行の是正。〇労働者への相談窓口の充実など。
 長時間労働の是正はわかっているのですが、中小企業にとっては中々そうはいかない事情も沢山あって、猶予が欲しいところです。ましてや、この人不足ですから、なおさらでしょう。でも、対策は立てていかねばなりません。まずすべきは長時間労働を放置するなど蓋をせず、コミュニケーションをしっかり取ることといえます。

大阪の枚方にオープンした蔦屋の三つ目になる複合商業施設「T-SITE」。書店を中心に専門店が3入り、枚方には二つの銀行も。地方百貨店の大量閉鎖時代に突入との声が聞かれるなか2で、救世主といわれる「T-SITE」、行ってみると確かに人は多く、集客力は堅そうです。代官山、大阪駅1ビルの蔦屋書店もそうですが、兎に角、居心地が良い。イオンモールなどとまったく違う発想ですし、大阪らしからぬCOOLな空間なのですが、店舗が集合する、これからの複合商業施設のあり方の一つを示していると思われます。「コーヒーを売るのではなく、コーヒーは非日常の場所と時間を提供するためのツール」というコンセプトを掲げて差別化をはかったのはスタバですが、「T-SITE」からも同様のコンセプトが読み取れます。そういえば、多くの蔦屋、「T-SITE」にはスタバが入っていて、メインに位置してますね。確実にヒトの志向はモノからコトへ移っています。

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2017年1月 1日 (日)

二百九十六話 今年の人事の動き

 20172新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 今年は米国のトランプ政権誕生で世界経済がどうなるのかが、まずは経営者の一番の関心事でしょう。円安ドル高、株高がこのまま続くのか、政策が見えてくるにつけトーンダウンしてしまうのか、日本が春闘で湧く頃にはかなり方向が定まっていることでしょう。
 中小企業にとっては、景気がこのまま上昇すれば人不足、下降すれば業績に影響し、どちらに振れても悩ましいといえます。会社の採用難は人事に直接関わる問題ですから、わたしどもとしても対策をなんとか提案したいところです。基本は、大手とバッティングしない戦略をとることでしょうが、いずれにせよ手を尽くさずに採用できる時代ではなくなりました。担当者任せとはいかず、経営者も真剣に取り組まざるを得なくなったといえます。
 今年、中小企業が人事で対応しなければならないことは、二つと思います。一つは上述の人不足の問題。採用と定着が喫急の課題で注力が必要です。もう一つはマネジメント力の底上げです。人を動かせる人を増やさないとなりません。もっと具体的にいえば、面談できる人の養成です。
 日本社会はこれから雇用のあり方が変わります。政府が進めるだけでなく、そうしないと経済がもたないからです。どう変わるかは、すでに示されているように女性や高齢者、外国人などの活用であり、在宅や短時間などの多様な働き方が進むことになるのですが、違う角度からいえば、総合職正社員と職務限定社員の二極化が明確になっていくことです。
 われわれの頭にある社員像は総合職正社員のそれであり、雇用のあり方の基本をそこに置いています。これから進むのは、正規であれ非正規であれ、職務が限定され明確になった社員が圧倒的に増える社会の到来です。はっきりとは見えないけれども毎年確実に進んでいくことでしょう。「わが社はこれまで通り総合職正社員のみ」とうたっても、社会がそうさせてくれません。会社は職務限定社員を使わざるを得なくなるのです。
 そのような職務限定社員を活用するには、どのような仕事に就き、何を求めるかを明確に示さなければならなくなります。中小企業では役職者といっても、そのようなことは苦手な人がほとんどです。今年くらいから取り組んでおくべきと思います。
 

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