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2017年2月19日 (日)

三百三話 働かない国②

 政府が進める「働き方改革」は、これからもほぼ確実といえる労働人口減少への対応策ですが、中小企業への影響が非常に懸念されます。
 人不足なうえに長時間労働の是正に対して、企業は生産性を上げるしかないわけですが、政府が描くモデルはドイツあたりでしょうか。
 確かにドイツは今のところ成功しています。日本と同じく中小企業も多く、付加価値の高い中小も多々あります。GDPは日本よりやや少なく75%程度ですが、人口は日本の73%、会社数は85%程度、対GDP輸出比率は日本よりかなり高く、15年データでGDPの43%(日本は12%弱)もあります。やはりドイツの成功はEUというマーケットでしょう。中小企業が直接輸出をしているところも多いみたいです。
 これらの数字から随分と働き者に見えますが、労働時間は日本が年間1700時間に対してドイツは1300時間ほどしかありません。つまり生産性が高いわけです。労働時間が短いのはこれは、国民性とかというより、国が規制を強めたからです。一日の労働時間は所定が8時間で日本と同じですが、残業は2時間までです。しかも、NHKニュースでもしていましたが日本と違って厳密に運用され、抜き打ち調査がにあり、違反企業は罰金200万円にもなり、禁固刑まであります。よって会社も違法残業をさせている管理職に罰金を払わせているところもあるようです。これなら、労働時間を守るしかありません。
 生産性の高さはイコール競争力ですが、但し、倒産件数は日本の3倍くらいあります。つまり、生産性の低い会社は淘汰されるわけです。
 政府は中小企業の実態を視野に入れているのでしょうか。同じようなことを日本でされたら、たいへんです。日本にはEUのようなマーケットはありません。TPPも流れてしまいました。その上、深刻な人不足ですが、深刻なのは大手ではなく、中小企業なのです。もちろん生産性を上げることは必要ですが、生産性を上げる前にバタバタと潰れてしまいかねないのです。慎重に取り組んで欲しいものです。
clip新年度をひかえ、書店フェアがはじまります。弊著も明日香出版社の「ワザ」シリーズの末席に入れてPhoto_2頂いてPhoto_3PhotoいまRす。「ワザ」シリーズはイラストふんだんで、本を読まない新人にもお薦めです。

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