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2017年6月12日 (月)

三百十九話 賃金表の改訂

 人不足から来る新卒初任給アップへの対応、中途採用賃金相場の上昇への対応、人材の定着のための若年層カーブの修正など、自社の賃金体系を改訂する相談が急増しています。
 賃金を上げるだけなら、ベア、つまり底上げをすれば良いのでそれほど難しいことはないのですが、これらに対応しつつ、いかに人件費増を抑えるかが各社の課題です。先行き不透明な中で固定費の増加はできるだけ避けたいのが現在の状況で、バブルの頃とはそこが違います。
 すでに中小企業においても、賃金の決定にオープンにはなっていなくとも、賃金表での運用が普通になってきています。社員数が30名を超えると、管理するうえでの必需品になったといえます。賃金表を使う大きなメリットは三つあります。一つは個別賃金のコントロールが容易になります。賃金が独り歩きするのを防いでくれます。二つ目は賃金の格差の意味が明確になります。つまり、同期入社のAさんとBさんの給与差を説明できるようになります。三つ目はルール化により公正感を与えることです。つまり「トップの思いつきや恣意的な決定」という懸念をある程度払拭してくれます。
 賃金表は今回のような対応にも威力を発揮します。特定の人の賃金を上げつつ、全体の金額をコントロールし、それでいて公正感を保つことを可能にします。その方法が一時的な調整であれ、賃金表の抜本的な改訂であれ、賃金表という自社ルールのわくのなかでなされるからです。
 良くも悪くも、賃金を含め、人事はバランスです。バランスは相矛盾することを解決する一つの方法です。賃金表はバランスを見える化するものであり、バランスそのものといえます。
 

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