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2017年6月19日 (月)

三百二十話 雇用予測の謎

 マンパワー発表の7~9月の雇用予測調査で、不思議なことが起こっています。大阪・東京・名古屋の企業の採用意欲調査で、全体ではもちろん依然高い伸びを示しているのですが、規模別で見ると随分と異なり、はじめて見る現象となっています。
 「社員を増やす」から「社員を減らす」を引いた純雇用予測(マンパワー用語)指数が50~249人規模で26P(ポイント)、250人以上で24Pのプラスなのですが、49人以下では、なんと11Pもマイナスです。データの内訳を見ると、増加が0、減少13、変化なしが87となっています。
 実はこの前の期(4~6月)は高い伸びで33Pのプラスでしたから、マイナス44Pの急激なダウンといえます。この要因は三つ考えられます。一つは前の期に充分採用したから、二つ目は景気が悪くなったから、三つ目は結局は採れないので採用意欲を失くしたからというものです。このデータは日経でも取り上げられていて、日経によると三つ目の要因をとりあげ、「採用難の長期化で資金力に乏しい中小が採用意欲を失っている」というような分析をしています。わたしもこの理由があてはまるように思います。また、秋には翌年に向けて増員を考えざるを得なく、再び伸びが戻るのではとも予想しています。
 そう考えると人不足の深刻度は増すばかりですが、中小企業にとって7~9月はライバルが比較的少なく、狙い目といえそうです。
 
clip小学生Photoの頃に見た黒澤明の「椿三十郎」(画像はAmazonn)のラストシーンは強烈でした。55年も前の名作ですが、先日、BSの特集番組で84歳現役俳優の仲代達矢がその撮影秘話を語っていました。台本には最後の果し合いの場面に「それから先はどうなるかわからない」と書かれてあり、仲代は監督から「お前は1か月間、居合の練習だけをしておけ」といわれて、真剣で特訓をやらされたといいます。同じ頃三船敏郎も同様に下手抜きの居合をやらされていたらしく、何のリハーサルもないまま、二人は果し合いのシーンの撮影当日、本番に臨みます。加山雄三や田中邦衛ら若侍連中が見守る中、非常に長い間合いがあって、二人はそれぞれに特訓した居合を繰り出します。仲代が上から袈裟懸けするも、三船は一瞬速く、左手で下から上げざまに仲代の心臓を切り裂きます。そのとき、仲代はあたりが真っ赤になり、噴き出た血の圧力で身体が持ってかれそうになるのを懸命にこらえたと言ってました。仲代の胸に血を詰めた袋とポンプが仕込んであったわけですが、何も聞かされていなかった取り巻きの連中は一瞬、事故が起こったと思い、スクリーンに映ったあの唖然とした表情はそれだったというのです。すべてが揃った完璧なリアリズム。凄い映画をつくったたものです。それにしても、朗々と喋る84歳の仲代にも驚きました。現役の凄さですね。

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