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2017年7月

2017年7月31日 (月)

三百二十六話 最低賃金25円アップ

 春闘の賃上は思うように上がらず、物価上昇率は0%代に低迷したままということで、政府は直接介入できる最低賃金を今年も大幅に引き上げます。上げ幅は働き方改革実行計画での労使合意方針の3%ですので、現在の全国平均823円から換算すると25円になります。大阪では最低賃金が全国平均より高い883円ですから、26円上がり、909円となる予定(10月頃)です。
 安易なうえに止める者がいないという、この政策は中小企業に最もしわ寄せが来ます。少人数の中小企業では平均すると社員の1割程度が対象者といわれていますから、全体で見ても大変な負担増です。配偶者控除の改革も中途半端、人不足に長時間労働規制もあって、非正規労働者に頼らざるを得ない中小企業は出口なしの状態となっています。
 唯一の方法は時間当たり生産性の向上しかないわけですが、直ぐにできるくらいならとっくにやっていると言いたいところでしょう。大手は厄介な部分を下請けにまわせば済むわけですが、それにより生産性の向上の難しい業種がさらに難しくなってきているのが中小企業の現状です。できる対応策はなんでもやるというように人を使う発想を変えないと、乗り切れそうにありません。

夜遅くに帰ってきたら、マンションの入り口でセミが脱皮をしています。玄関の明かりで夜明けと間違えたようです。7年間の土中暮しを経ての一大イベントですから、うっかりというのではちょっと可哀想過ぎます。それにしても、奇妙な姿の幼虫から羽を持った華麗な成虫への変Photo身のときの感覚はどんなものでしょう。人間には想像がつきませんが、せめてちょっとした快感であって欲しいところです。

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2017年7月24日 (月)

三百二十五話 人手不足倒産

 帝国データバンクによると、採用難と離職による倒産が急増しているとのことです。倒産件数全体に占める割合はまだわずかですが、今年上半期で49件、前年同期比44%増、負債総額218億99百万です。4年前と比べると、件数で3倍弱となります。増えているのはわかっていましたが、明確に数字を見せられると、人不足の厳しい現実をあらためて実感します。
 とくに負債規模では11億円未満が19件、5億円未満が23件と小規模企業が大半を占めるものの、10 億円以上も5 件発生し、負債規模は拡大しつつあるとみられます。
 業種では、サービス業が15件、建設業が13件、小売り業7件、運輸通信業が7件とやはり人不足がはっきりしている業種が上位です。建設やソフトウェア開発のように仕事は受けたものの人が集まらず、履行できずにキャンセルせざる得なかったり、逆にペナルティを払うことになったり、あるいはサービス業上位の介護関係のように部屋は空いているものの職員が集まらず、入居させられなかったりという状況のようです。
 低賃金、過重労働、スキルアップの望めない仕事等が今、ダメージを受けているといえます。人不足から、いずれは雇用の流動化が本格化することでしょう。雇用の流動化は「人の集まる会社に人材がより集まる」ことを加速させます。様々な業種で「働かせ方」の見直しを迫られています。

ビルの合間を練り歩く、祇園祭山鉾巡業の光景はいつ見ても異様です。室町の頃にはかなり大きかったというのでPhoto、低い建物が多かった昔は30基もの山鉾が街に並ぶ姿はさらに壮観だったことが想像できます。疫病などの厄払いから始まった祇園祭ですが、まさしく人々の気持ちに与えるインパクトは多大なものだったことでしょう。しかも街中の人が同じ心情を共有できたわけです。同様に、会社の中の山鉾を見つければ、様々な問題は解決できることでしょう。

 

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2017年7月17日 (月)

二百二十四話 外資系からの転職

 日経によると、外資系から日本企業への転職者が急増しているとのことです。人材紹介大手のJACリクルートメントでは、管理職を中心に同様の転職者が昨年で673人、12年の312人からすると倍増以上です。業種はメーカーと金融が多く、海外市場に精通した企画や営業のニーズが高いようです。
 これらの要因は、人材不足と日本企業の賃金の上昇で外資系との差がなくなったことが大きいようだとあります。また、転職者のうち、日本企業→外資系→日本企業という例が約8割となっていて、外資系のアジア本社がシンガポール等海外に移転する例が増えているためと外資系は給与が高額な反面、人事の入れ替えも激しく、安定して働ける日本企業が見直されつつあるのも要因と見られています。
 このように大手企業の動向を見ると、雇用はゆっくりと流動化しつつあるといえますが、流動化するほどに安定した賃金・処遇の会社に人材は集まるといえそうです。

落語に「駱駝」という演目があります。長屋中から嫌われている、あだ名が駱駝というゴロツキがフグを喰って2亡くなり、その兄貴分でこわもての男が長屋の連中を脅して葬儀を出す話です。長屋の連中に話をしに行くのがたまたま通りかかった運の悪いクズ屋の男ですが、その兄貴分が長屋の大家からせしめた酒をクズ屋に薦めます。はじめは気の弱そうなクズ屋が酔うにつれて次第に豹変し、とうとう兄貴分と立場が逆になり、顎であしらうようになります。
 今、この豹変ぶりを演じて見事なのが桂雀三郎さんです。まず演じる兄貴分はドスが効いていて本当に怖い。それを最初気の小さそうなクズ屋が次第にその兄貴分を指図するようになるところは圧巻です。先日、繁昌亭で二度目となる雀さんの「駱駝」を見ましたが、現在では右に出る人はいないでしょう。やはり酔っ払いを演じさせたら天下一品です。それにしても、酔った者勝ちは永遠の摂理ですね。

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2017年7月10日 (月)

三百二十三話 ユニリーバの採用制度

 今年スタートした来18年春に向けての大卒採用は、中小企業においては厳しい状況のようです。会社説明会なども、昨年とうって変わって集まっていない会社が多いのです。大手企業の影響が一段と大きくなっていると思われます。
 LUXやダブ、リプトンなどのブランドを持つユニリーバ・ジャパンが最速だと入社2年前に内定を出す採用制度を始めました。入社時期も4月か9月を選択できます。大学1年次に内定をもらえる可能性があり、すると、内定をもらって海外留学や社会活動への参加も可能になります。また、インターンシップにも力を入れており、採用直結を掲げています。幅広く、優秀な人材を囲い込もうというわけです。
 中小企業で同じようなことは難しいでしょうが、このような柔軟な採用制度の発想は中小企業こそ必要でしょう。経団連加盟の大手に中小企業は追随し過ぎな気がします。一つには、大手人材採用・紹介会社に任せ過ぎてしまうことが要因ですが、それは採用に手がまわせない、人事総務に余裕がないのも一因でしょう。営業や生産に人を入れることは考えても、人事総務はめったなことで増やしません。
 止むを得ないのですが、これからは採用と定着の優先度を上げないと、取った案件をこなせなく、機会損失が高まることになるでしょう。少なくとも、人事のしくみを採用と定着にシフトするべきといえそうです。

利用するローカル線の車窓に近くの小学校の生徒による願い事を書いた七夕の短冊が貼ってあります。「サッカー選手になりたい」「パテシエになりたい」「AKBになりたい」など、子供らしい内容で、時代を反映しているといえます。その中で気になるものに、「ユーチューバーになりたい」というのがありました。幾つかあるので、これも世相なのでしょう。でも、ちょっと単純には喜べないような感覚はやはりギャップでしょうか。働き手が一人でも欲しい経営者にとって、未来も厳しそうです。

 

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2017年7月 3日 (月)

三百二十二話 新卒採用状況①

 経団連ルールでは6月1日面接解禁ですが、今年はその時点で就活性の約6割が内々定を得ています(この数字はリクルートキャリアの調査では前年比約10%の上昇ですから、大手企業の採用意欲というか、逼迫感はすさまじいものです)。
 つまり、6割の大手が解禁前に面接を実施しているとしか思われません。経団連に加盟していない外資系などもあるでしょうが、その面接の機会として有効と思われる、インターンシップがかなり利用されていると考えて然るべきでしょう。そこへもってきて、経団連はこの夏から従来は5日以上だったインターンシップを1日からでも認めます。学生のニーズが高いからでしょうが、中小企業にとっては「なにをしてくれる」と言いたくなります。ニッチを探っていた中小の特権がまたも浸食されつつあります。
 関与先企業の状況を聞いても、今年の新卒採用は昨年よりさらに厳しい状況にあるようです。余程の経済変化がない限り、人の採用はこれからも増々厳しくなるでしょう。そうなると、中小にとしては中途採用にさらに力を入れざるを得ないことになりそうです。大手の中途採用比率は上がってきていますが、まだそれほど高くはありません。でも、いずれは中途採用にも手を伸ばしてくるでしょう。中小にとっては、その前に中途採用の独自ノウハウに磨きをかけておきたいところです。

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