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2017年12月

2017年12月24日 (日)

三百四十七話 5年ルール②

 パートさんなど有期契約の雇用が5年過ぎると、本人の申し出により無期雇用に転換できるのが、いわゆる「5年ルール」です。この該当者が出るのが来年4月からですが、有期契約雇用の対象者には原則例外がありません。よって、60歳以降の継続雇用が65歳以降も引き続き働いて貰うことになると、原則は対象となります。実際に中小企業では70歳近くまで働いている方が結構いるので留意が必要です。本人が申し出れば、無期雇用に転換となり、もう定年を過ぎているわけですから、本人が「退職します」と言いださないかぎり、本当の意味で終身雇用することになりかねません。そんな非常識なことはないだろうと思いたいところですが、他人から見ればあきらかに体力、能力共に落ちているのがわかっても、自分ではこれまで通りまだ働けると思っていたりします。無期転換の申し出があってからでは、会社は原則、対応できないので、すでに対象者がいる会社などは4月までに対策をしておいた方が良さそうです。
 対応策としては、継続雇用者を対象から外す除外申請ができます。どうやら現在、申請が殺到し、時間が掛かりそうなので早めにしておいた方が無難です。また、人材不足だし無期転換しても構わないという会社もほんとうに無期になるのはリスクがあるでしょうから、トラブルを避ける観点からは第二定年などを就業規則に載せておいた方がよいでしょう。同時に60歳以下の正社員との処遇差を設けたい部分は就業規則を改定しておくべきです。
 
どこの関与先で聞いても、運送会社が強気で運送費がハネ上がって来ています。流通の末端でこれまで低い運賃を余儀なくされていた分のいわば逆襲です。人不足とヤマトの問題やらが発端で、運転Photo_2手の賃上げ起こっています。今までが低すぎたので良い傾向ではありますが、下請けの中小企業などはその分をなかなか転嫁できず、つらいところです。忙しいのに儲からない会社が多いのです。そこで政府は下請Gメンと称して、理不尽な大手等の摘発に乗り出しています。日経に載った中小企業庁の広告を見ると本腰を上げているような。人気ドラマ「陸王」に便乗のパフォーマンスで終わらないですよね。

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2017年12月18日 (月)

三百四十六話 アジアの昇給

 日経リサーチがアジアに進出している日経企業を対象に現地従業員の来年の昇給を調査しています。予想平均昇給率は5.34%で今年実績より0.21ポイントの低下予想です。ミャンマーなどの新興が加わったものの、全体ではこのところ低減傾向にあります。主な国の昨年と今年の率比較では、中国6.46→6.17、ヴェトナム7.99→7.77、タイ4.37→4.16、インドネシア8.32→8.29で、中国やタイなどは5年前の約半分の鈍化です。足元の景況感は悪くないものの、企業は楽観視しておらず慎重な姿勢が見てとれます。
 このような中で日本だけが賃上に突出するとはどうも思われません。人不足と大手の業績好調もあって政府は来春の賃上率3%を減税策とセットで目論見ます。でも、今年の2.11%(厚労省)は上回るでしょうが、企業は賃金の固定化を嫌い、大方は賞与に流れるように思います。

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2017年12月11日 (月)

三百四十五話 中小企業の賞与

 大阪シティ信用金庫の調査(対象は大阪府下約1000社の中小企業で約8割が20人未満)によると今冬の賞与は、平均支給額が278,664円と昨年比1578円、0.57ポイントの増加、5年連続の上昇です。但し、これは支給する企業の数字であり、支給する企業は57.7%と。こちらは昨年比3.8ポイントの低下です。好景気の大手企業に対して、この社員数規模の企業はなかなかリーマン前水準(支給額28万円台、支給する企業70%以上)に戻りません。
 業種別ではとくに小売業が悪く、支給する企業39.3%昨年比△6.5ポイントで支給額も236,973円と業種では唯一昨年比マイナスです。つまり、末端の消費が良くなっていないことがうかがえます。
 ただシティが11月に行った景気動向調査では、「景気は良くなる」と回答した企業が47.9%あり(小売業も44.1%)、7月の調査の21.4%を大きく上回っています。「まだ賞与を多く出せるほど余裕はないが、これから徐々に良くなりそうだ」ということなのでしょう。
 各統計機関が来年の賃上げ予測を今年以上と踏んでいます。来春に向けて、これから景気はなお上昇する気配です。

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2017年12月 4日 (月)

三百四十四話 人材流出

文部科学省の調査によれば76年から約40年間で韓国、中国をはじめアジアを中心に1000人超の技術者が海外流出しているとのことです。やはり大手企業からが半分くらいを占め、高齢者が多いと思いきや、むしろ40代以下が大半となっています。日本の産業にとっては忌々しき問題ですが、年俸5000万円保障などとヘッドハンターに破格の賃金を提示されたら、気持ちがぐらつくのもわからないでもありません。日本企業の賃金体系では高い技術を持っている社員がいたとしても突出させるには限界があるでしょう。長期雇用による長期貢献を前提に出来上がっているからです。したがって、これからも流出は続くと見ておくべきといえます。仮に日本の企業も高技術者等に破格の賃金を出せるようなしくみにするには、社会自体の雇用の流動化が前提になると思われます。でもそれは、また企業に別の大きな課題を突き付けることになるでしょう。
 いずれにしても職能給など、一般的な賃金体系をとる製造業などの中小企業ではあまりに突出した高額な処遇は難しいといえますが、ある程度のことは可能です。たとえば、年俸制などの別体系や飛び級、特別手当、特別賞与などです。但し、これらを使うにはもはや「社長のお手盛り」というわけにはいかなくなるでしょう。このような特別処遇を含めた、ある程度の制度化が求められることになります。
 

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