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2019年5月 7日 (火)

四百十一話 令和の人事①

 平成の経済はバブルのピークと崩壊ではじまり、日本の人事制度に成果主義を呼び込みました。その成果主義には二つの顔があり、一つは年功の排除・成果重視の顔、もう一つは人賃金から仕事賃金へという顔でした。この30年の間に一つ目の顔の年功の排除・成果重視は浸透しましたが、結局、日本社会は二つ目の顔の仕事賃金には移行しませんでした。世界標準は賃金が仕事にくっついた仕事賃金であり、グローバル化は吹き荒れましたが、日本独自の賃金が人にくっついた人賃金は変わらなかったわけです。その大きな理由としては、高度成長期に日本社会は独自の人事のしくみを強固なスクラムとしてつくりあげたからです。すなわち、人賃金、定昇、定期採用、年功型賃金カーブ、終身雇用、社内組合、社内ローテーション、定期異動、厳格な解雇法制、定期昇進、総合職正社員というスクラムであり、これらは個別の人事制度というより、一体となった日本型人事という一つシステムであり、セットの制度といえるものなのです。人賃金だけを職務給などの仕事賃金に置き換えることはできないわけです。仕事賃金に替えるには、セットの中身すべてを見直し、新たなセットをつくらないとなりません。
 平成の終わりに、経団連は大学と合意し、定期採用から通年採用に舵を切りはじめました。スクラムの一角が崩れ、これからセットの見直しがはじまるでしょう。令和は時間を掛けて新たな日本型人事制度をつくりあげる時代になりそうです。

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