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2008年5月22日 (木)

一話 「読者の想定」

 ある会社で役職者10名ほどが集まって、私と月1回の勉強会を続けています。もうまる3年になりますが、いつもは仕事が終わった後の6時ごろから2時間半から3時間くらい行っています。宿題もありますし、仕事で疲れた後に頭を使うので楽ではないと思うのですが、皆、熱心で感心します。
 昨日もその勉強会の日で、6時からスタートし、テーマは、これはメンバーの方から出たのですが、最近私が出版した人事考課の本の内容に対する疑問点など、質問を一人ひとつ以上出し、私が答えるというものでした。
 実際に出てきた質問は一人3点ぐらいずつ、中身はなかなかシビアな鋭いものもあり、これを続けたら、新たなQ&Aで、もう1冊書けるのではと思ったほどでした。
勉強会としては充実したものとなりましたが、こんなに良い質問が出ると言うことは裏返すと、本の内容があるレベルにとっては「少々、書き足らない」とも言えるのだと思います。
 このような本の出版に当たっては(セミナーなども同じですが)、どこまで書くか、言い換えれば、対象読者をどの層に絞るか、いつも悩ましい選択を迫られます。「よしこれで完璧」とその時は思って出版するのですが、出した後、暫くして「あそこはああすれば良かった」と思いを巡らします。勿論、いつまでも引き摺ることは無く、「次の出版ではこうするぞ」と気持ちを切り替えていますが。

 ところで、この勉強会では私の執筆の明け透けな批評なども頂きます。またメンバー間でも各人の発表内容の評価点をお互いに点けたりと、全員少々気合を入れて参加していると思います。おそらく、この会が長く継続している理由は、そう言う面で馴れ合いになっていないからでしょう。勉強会に限らず人の集まりに共通した継続のための条件のように思います。

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