七話 新刊「なぜ会社は大きくすると潰れるのか」
わたしの本の出版でお世話になり、また私どもグループの経営者の会でも講演を頂いた明日香出版社相談役の石野誠一氏の薦めで「なぜ会社は大きくすると潰れるのか~年商43億円の建設設備業者 その勃興と自己破産から学ぶべきこと
」(不破俊輔 明日香出版社)を読みました。帯には「どうなる!どうする!『会社破産』の教科書」とあり、中小企業の倒産の赤裸々な内容で、沖縄研修(六話)の後の福岡日帰り出張の新幹線で一気に読み込みました。
中小企業の経営者の考えが本当によく分かる本です。筆者はNHK「クローズアップ現代」で低迷する北海道経済の特集にも出演されていて、北海道でナンバー2の建設設備会社の倒産の経緯と経営者としての心情が生々しく語られたドキュメンタリーとして綴られています。
経営はきれいごとではないことを実感するには迫力と説得力で勝る書はない経営者必読の書ではないでしょうか。
文中から人事に関連して、わたしが印象に残ったフレーズを幾つかご紹介します。
○ 部下は会議のルーチンから踏み出すことはめったにない。
○ 組織を作ることは金がかかって大変なことだが、経営者の楽しみはそれを作っていくことにもある。
○ 人事が経営の要であることは論を待たない。しかし私は60歳を過ぎて人事および人を見る眼の難しさを思い知った。
○ 企業を急に伸ばすと資金はおろか、人材も追いつかなくなる。
○ 資金がアッパーカットだとすれば、人材はボディブローだ。後から必ず効いてくる。
○ このように人事は難しい。難しい上に人は変化する。
○ 息子が中小企業の担保なのだ。見方を変えれば息子は企業の人質だ。
○ 経営とは信用を増幅する絶え間ない努力
などなど、実際に中小企業の人事コンサルでのわたしの経験からも、痛切に感じ、納得する部分が他にも随分とありました。
文中、社長である著者と専務である長男の関係、葛藤が前編通じて描かれ、本書のもう一つの軸となっています。どこにでもある中小企業の親子関係、後継問題を写していて、その点でも読んで頂きたい一冊となっています。
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コメント
先日はお世話になりました、関山です。
早速拝見させて頂きました。
丁寧に有り難うございます。
またお礼のメールを出させて頂きます。
投稿: 関山 | 2008年6月16日 (月) 09時02分