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2008年8月 2日 (土)

十四話「目標管理を活かす」

 人事制度にとりわけ関心の無い方にとっては人事制度とは何を指すのか、何処までの範囲を言うのか分かりにくいものです。

  一般には次のような仕組みの集まりを指します。

 賃金制度、評価制度、役職や資格等級の制度、教育・育成制度、配属・配置の制度…等々。

 私どものコンサルティングに於いて、これら人事制度の中でこれまでに最も成果をあげたものはと聞かれたら、たぶん目標管理制度(以下目標管理)と答えるでしょう。(但し、目標管理は人事制度というより、業務管理のツールに分類されるべきという考え方もあります。私も厳密にはそう思いますが、これから記すように人事制度で扱わないとそのメリットを充分に活用できない点では、人事制度に含んで扱うべきと考えます。)

 目標管理のメリットは多岐にわたります。
  会社の方針を社員一人ひとりの行動レベルにまで落とし込める、コミュニケーションを高め職場の活性化をはかる、自立型自己責任型の人材を育成する…などなど、他の制度では出来ないことを実現しますし、幅広く即、業績や生産性の向上につながる効果をもたらしたりします。また、導入のデメリットが少ないのも大きな特徴と言えます。(この辺りのことは拙著「はじめての人事考課100問100答」で詳しく記しています。)
  そのように遣り方によってはたいへんメリットの大きい制度ですので、導入指導に当たっては出来るだけ制度を活かせるよう細心の注意を払うようしています。
  実は目標管理はそれ自体の単独ではあまり機能せず、そのメリットを充分には享受できません。その機能を引き出し、活用するためには、他の人事制度、つまり昇給や賞与の賃金制度、それらを決める評価制度、昇進や昇格のしくみ等とうまく連動することが必要なわけです。
 少々誤解を承知で敢えて言い換えれば、他の制度は目標管理を活用するために策定すると言っても過言ではないとさえいえるでしょう。これまでの指導実績を振り返っても、使い方によってはそのくらいインパクトの大きい、経営のツールとなり得る制度と考えています。

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