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2008年9月 2日 (火)

十八話「経営者がつくる評価基準」

 随分といろいろな企業の人事に関わらせて頂いたお陰で、中小企業の賃金・人事は大手企業のそれとまったく違う観点から見ないと上手く行かないことを何度も痛感しました。つまりそれは市販の大手企業中心に書かれた賃金・人事の専門書があまり役に立たないことでもありました。

 その一つが評価基準です。

 これまで、人事考課表など評価についてご相談頂いた場合、大きく三つぐらいのパターンがありました。評価はしているが、社長さんが「エイやっ!」で決めているケース(本当はそれほどエイやではありません)、考課表はあるけれども専門書や他社のコピーで取り合えずそれなりに点けているケース、いろいろ独自の評価をしようとしているがあれこれと試行錯誤するばかりで毎回考課表も変わってしまうような一向にに定まらないケース、などです。

 自社の評価基準を考えた場合に、それがどんなに立派な考課表であっても、借り物で上手く行く筈がありません。人事部が考案するような大手企業の考課表は中小企業の実態と乖離し過ぎているように思うことがしばしばで、あまり役に立ちませんでした。

 かといって、いつまでもエイやと言う訳にも行きません。けれども、中小企業の経営者は『こういう人を評価したい』『こういう人にお金を出すのは惜しくない』というのを大体お持ちです。ただ、それが抽象的だったりするのと、人事考課の枠組みの中で表現する、活用する方法が分からないだけというのが本当のように思います。

 中小・中堅企業の評価基準は経営者がつくるべき、と全ての企業に当て嵌まる訳ではありませんが、そのように思いお手伝いをして来ました。

 随分と事例が溜まりましたが、出来上がった評価基準にはその会社の「人材基準」や「行動基準」と呼べるないようのものがかなり含まれており、各社各様、個性豊かなものばかりに見えます。

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