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2008年11月22日 (土)

二十四話 広告クリエイターのセミナーから

 先日、大手広告代理店の第一線の現役クリエイターを招いて、通販の広告づくりを中心にセミナーを開催しました。予定よりも大勢お越し頂き、企業の関心の高さがうかがえました。

 企業が自社の商品、技術、サービス或いは会社自身をアピールしたいときに、広告の考え方が参考になると思い、企画したセミナーでしたが、ゲストスピーカーに熱く語っていただいた話は想定以上に目から鱗の連続でした。参加の方々からも、聞けそうで中々聞けない内容、違う世界のことと思っていたことが仕事の基本は同じで研ぎ澄まされたその中身に脱帽、大いにヒントを貰ったなどなど、主催者としては嬉しい感想を多く頂戴しました。

 その中から人事に関連した内容を少々整理して、二つご紹介しておきます。

 Q 中小企業を客観的に外から見ていて、何人かが集まって仕事をすすめるとか、チームで仕事を成し遂げるというのが、どちらかと言えばあまり上手いとは言えない様に思うが、今の話によると広告の仕事は(ディレクターをもとにコピーライター、デザイナー、コンテのライターなど)チームが基本とのこと。特に個性の集りのようなチームと思うが、そのすすめ方、まとめ方のポイントは?

 A クリエイターは我執(いわば我がまま)の集まりである。皆、自分のアイデアが一番と思っている。それをディレクターを中心に一つのCMなど「もの」に仕上げてゆくには、階層と役割分担が大事。また、役割分担は一人ひとつの役割、つまりコピーライターは必ずチームに一人しか置かない。

⇒ 明確な階層と役割分担。やはり、組織の基本です。

 Q ソフトウェア開発の業界では35歳定年説などまことしやかに言われるが、広告づくりの世界では年齢とクリエイトという点ではどうか?

 A クリエイターは「常識」が大切。「常識」のないものに広告はつくれない。その点ではクリエイターは大人であり、経験の蓄積、人生経験がものをいう世界。

 Q でも、若い人は経験は無い分、物怖じせずチャレンジをし、リスクをおかす。我々ぐらいになると、どうしても現状維持、新しいことに尻込みし、守りに入る。組織として若い者を入れるのは重要と思うが。

 A 勿論、広告づくりにおいても とんでもない発想は必要。われわれには到底考え付かないコピーを若い者がひねり出したりする。わたしの若いときのコピーは今は書けない。その意味でもチーム編成は大事で、若い者とベテランの組み合わせは必要。つまり、若い者の発想をコントロールするベテランが要る。その意味ではディレクターはベテランでないと務まらない。

⇒ うーむ、仕事は違っても基本は同じ。目から鱗です。

それにしても、少々窮屈な中で2時間ミニライブのように聞いていただいた参加者のみなさまと 多忙なうえに東京からわざわざ駆けつけて、私の質問にパワフルに答えて頂いたゲストの原田均氏にあらためてお礼申し上げます。

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