五十一話 夏季賞与結果
この夏の賞与は大手の現在までの集計では前年同期比概ね△18%、△16.5万(経団連)という大幅なダウンの数字が出ていますが、中小企業の実態はどうでしょうか。わたしどもの関与先企業でも総じてマイナスとなっていますが、「支給無し」からプラスまで幅はあります。
関西の20名以下規模の中小企業を中心とするデーター(大阪市信用金庫調査)見てみると、まず支給する企業の平均額は255,100円で昨夏対比で約7700円、3%のダウン程度ですが、賞与を支給する企業の割合が前年同期比で9ポイントほど減ってます。つまり、賞与を支給しない企業が大きく増え、この落ち込みはバブル崩壊後の02年と同等ですが、支給する企業の割合自体は02年より6ポイントほど低い56.7%となっています。これはこの10年ほどの資料を見ても最低という厳しい実態となっています。バブル崩壊の時は海外は関係なく、輸出企業は堅調でしたが、今回は世界中が落ち込んでいますから数字はその結果となっています。
支給しない企業の業種別では小売(60%が支給しない)、運輸(50%)と特に少なく、昨夏との差では製造(△12.0ポイント)、サービス(△16.1ポイント)が大きく落ち込んでいます。規模別では50人以上が14%が支給しないに対して、20人未満では47%が支給しないと規模による格差も非常に大きくなっています。総じて悪く、また、業種別に規模別に格差がひどいと言えるでしょう。
それにしても、どうも大手企業の景況と中小ではかなりのタイムラグがありそうです。大手は新聞等の通り、すでに上向いてきていますが、中小の実感は残念ながらまだ無いというのが本当でしょう。でも、2週間ほど前のセミナーに来られたオフィス不動産関係の社長さんから「毎月確実に良くなっています。ですから、心配はしていません。」と心強いお言葉を頂戴しました。不動産関係が良くなれば回復の裾野は拡がっている筈です。輸出もようやく反転しだしました。しかも差はあるもののアジア、米国、欧州ともにです。まもなく中小にも良い情報が聞かれるようになるでしょう。もう少しの我慢のようです。
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