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2009年9月22日 (火)

五十八話 次世代勉強会のレクチュア

 18日に某協会の次世代経営者の勉強会で講師をいたしました。構成は①20年になるわたしの人事コンサルを通じて、中小企業における人事のポイント②最近のわたしの新刊「一人前社員の新ルール」をテキストに「会社がホンネで評価したい社員」について③最近の賃金の動向とこれから④受講者からの質問Q&A、 等々で、プロジェクターでの資料を交え、4時間の勉強会となりました。若手の後継者の方々が中心ですから、普段はどちらかと言えば、賃金・人事はあまり頭には無いと思われますが、長丁場にかかわらず皆さん大変熱心に参加されていました。

 いつも人事のセミナーで悩むのは、聴講者の知識のレベルです。知っている人はよく知っているが、知らない人は皆目知らない。何の講演でも同じでしょうが、人事は特にその差が大きいように思えます。そもそも用語からややこしい。普段使っている言葉が人によって使われ方が違い、意味がかわったりします。例えば「賃金」。賃金と給与は同じなのか、賞与は含むのか含まないのか、等。ですから、勉強会などでは言葉の定義から入らないと、正確に話が伝わりません。

 人事の課題は業種によって特徴があります。今回の勉強会で、事前に頂いていた質問で多かったのは管理職と非管理職との差、残業手当の問題でした。つまり非管理職クラスで残業の多い者は管理職の給与を追い越すというものです。どこの会社でも多かれ少なかれ抱えている課題ですが、業態によっては極端、切実であったりします。悩ましい問題ですが決めてはありませんし、ある会社でうまくクリアした手法が自社に通用するとは限りません。また、特に中小企業では現実にはグレーな運用をされているところが多い部分でしょう。 でも、どちらかと言えば小手先で解決できる問題ではないといえます。賃金水準、身分制度、残業のあり方等、広い範囲にわたる人事のしくみの問題として捉えるべきです。ついでに言えば、ちょっと呑気な言い方ですが「人事はバランス」を知るテーマとしては格好の材料ではあります。

 人事はしくみ(制度)をつくっても、1+1=2のように行かない。今回の勉強会では若手後継者の方に「人事はバランス」を多少とも理解して貰えれば、わたしのレクチュアもすこしはお役に立てたかなと思っています。

 参考:「人事はバランス」についての内容が「一人前社員の新ルール」<ルール98>に掲載されています。

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