七十八話 平尾誠二新刊「型破りのコーチング」
以前に、わたしどもの会で講演いただいた平尾誠二氏の新刊「型破りのコーチング」(PHP新書)がサイン入りで送られてきました。ラグビー日本代表の監督を務め、現在も神戸製鋼チームの総監督をされる平尾氏ですが、その著書は一貫して「個と組織」がテーマであるように思います。この新刊も「個の自立、やりがい」と「組織の成果」の両立の観点から、コーチングはどうあるべきか、が書かれています。
それにしても、著者の類稀なる言語力には毎回、驚かされます。言語力といえばサッカーのオシム元監督が有名で、「オシム語録」という本が出ていましたが、当然「ヒラオ語録」も出ておかしくないと思います。両氏ともスポーツに言葉がきわめて大事、指導・育成の成果に言語力が大いに左右すると考える点では全く同じと言えるでしょう。
では新刊よりキイとなるフレーズ「ヒラオ語録」を紹介しておきます。インスピレーションが湧きますよ。「(ラグビーでの)パスは一種の投資」「チームワークよりチームプレー」「やらなければならないこと、やれること、やりたいことの三つをつなぐ」「教える側と受け手の距離感は大切」「コーチは立ち位置について自覚的であるべし」「チームリーダー、ゲームリーダー、イメージリーダーでリーダーを役割分担せよ」「今の若者は反発係数が低い」「コミュニケーション力を高める最も簡単な方法は相手の立場に立つこと」「ヤル気は裏切りから生まれる」「強いチームには湿り気がある」「モチベーションに必要な三つの要素は’既存の人のモラル’、’見返り’、’(リーダーの)人’」「勝利を最優先する意識の共有こそがプライド」「自分のできることを考えているチームほど怖いチームはない」、などなど。まさしく目から鱗ですね。
本を贈ってくださったのは、平尾氏の友人で外資系生保にお勤めの小谷茂生さんです。いつも貴重な情報を頂戴しています。
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