七十九話 今年の昇給②
13日の日経に「東芝、定昇維持へ」という記事が出ていました。昨年は東芝をはじめ、NECや日立、シャープなど多くの名だたる大手が半年間ではありましたが、「定昇凍結」となりました。今年はまだ景況の不安定要素はありますが、回復の兆しが見えつつあること、2年連続の凍結は賃金・人事体系が崩れ兼ねない懸念から経営側も避けたい、などの理由で「定昇実施」の方向へ動いたと考えられます。
それでも、今年は昨年に引き続き、春闘の焦点は「定昇の攻防」です。昨年は電機大手や自動車総連が当初4000円、4500円のベアを要求したように、今年はこれまで型の「ベアの攻防」ではなく、スタートから「定昇の攻防」です。定昇は「ルールによる昇給」の実施であり、この「ルール」には当然、人事考課など「評価」が含まれています。すなわち、一律の昇給ではなく、差のある昇給で、実施によって自社のモデル評価を受けた人の賃金水準、つまり「モデル賃金カーブ」が維持されます。
今年の「定昇の攻防」に幾つかのところで、「定昇の見直し」を経営側が提言しています。定昇は実施するが、その額や配分方法の見直し、すなわち「ルール変更」や「モデル賃金カーブの変更」、「賃金体系の改定」などを検討しようというものです。これは、派遣など非正規社員の正社員化等、人件費全体のコスト増を睨んでいます。定昇額を下げ、グローバルな競争力と派遣法の改正への対応等とを両立させるという考えでしょう。これから、「定昇の攻防」の第2ステージとして、「賃金体系の改定」が話題になると思われます。
中学の同窓の友人で開成グループ代表の太田明弘氏の新店舗「茶屋町炉端 楽兵衛」がオープンし、昨日オープンパーティに招かれました。美味しい料理が随分とリーズナブルな値段で、茶屋町らしい綺麗な炉端店です。是非、ご利用を。それにしても太田代表は大手進学塾チェーンからビル管理、飲食店と精力的な事業家です。わたしどもの秋の親睦会で講演いただく予定の堂島ロールの社長さまを紹介いただいたのも彼です。人脈の広さも並みではありません。
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