八十四話 人事は4月が繁忙期
忙しい4月が過ぎました。グループの会計事務所などは、1年のうち最も忙しくなる時期が、個人申告の3月と年度末決算申告の5月です。それに較べて、人事コンサルの方は1年を通じて、特に繁閑の凸凹は無い方ですが、4月だけはやはり忙しい。年度末の人事考課、昇給算定、目標管理の結果確認と次期目標設定、それに新人研修などが一度に重なります。この4月も出張が続いたり、休日に考課者研修、目標面接などが続きました。われわれが忙しいということは、企業の人事、総務担当者も忙しいということです。中小企業も概ね50名から150名ぐらいまでの人事・総務が特にたいへんなように見受けられます。組織立っているようで、いないようなところで、会社も管理人数に対して人事・総務に人を置いていないところが概して多いように思います。だいたい中小企業は人事部などそもそもないのです。
中小企業における人事管理の分かれ目は、社長が全員を見るか、各セクションの管理職に任せるかといえます。社員数が増えてくると、任せざる得なくなりますが、上述の50名から150名ぐらいの人数規模は微妙なラインになります。社長さん一人で見ようと思えば見れる規模だからです。
管理職に人の評価や育成を任せて行くには、しくみや制度が少し必要になります。極端に言えば、「なんで○○君の方が僕より昇給が多いのですか?」と部長が訊かれて、「そんなこと、決めた社長に聞いてくれ」と答えるのを良しとするか、しないかになります。どちらが良いかはわかりませんが、多分ここが大きな分かれ目なのでしょう。でも、会社を次の代へバトンタッチするには、もうまったなしで、しくみや制度のちからがどうしても必要となります。その時に任せられる管理職は直ぐには間に合いません。極論すると、人事のしくみや制度は管理職をつくるためにあるともいえます。このところ、そのような事例が続きました。
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