百十三話 目標面接から~「じぶんごと」意識
この10、11月も目標面接の指導で東へ西へと奔走しておりました。目標管理は長い関与先でかれこれ導入から15年以上経つ会社が結構ありますが、面接等で立ち会ったりしていますと、突然、「ひとが変わる」のを目の当たりにすることがあります。
もちろん良い意味でですが、ひとが変わったようにヤル気が出る、今まで何を喋っていたのか分からないような人が突然きちっと説明できるようになり、前向きに話し出すなど、これまでにも何度もありました。その人個人のみならず部署全員が突然変わる例もたびたび経験しました。
当然、勝手に、偶然にそのようになるのではありません。モチベーションのアップは、見ていますと必ず要因があります。その大きな一つのが、『じぶんごと』だと思います。今まで、きちっとやることはやっていたが、でもどちらかと言えば受身の意識、やらされ感だったものが、自分が何とかするという意識、自分から提案する姿勢にかわる、『じぶんごと』意識です。
この『じぶんごと』意識はいろいろなことが重なって起こります。上司の仕事の与え方、目標管理という仕組みの理解(分かっているようで分かっていない人が実はほとんどというケースが多い)、評価と処遇の連動の理解(特にどうすれば昇格できるかなど)、目標達成が公に認められるという成功体験、などが鍵のように思われます。
「わが社の目標管理も形骸化している」などとあきらめてはいけません。わたしどもで長く続けている会社の実績がそれを証明しています。
歌舞伎の語源は暴力をふるうこととかと読んだことがありますが、観客に息遣いが聞こえたりや汗がかかる距離で見ると、それもなるほどと頷けるところがあります。江戸時代の歌舞伎はさぞ猥雑さと芸術性が入り交ざ
った魅力的なものだったことでしょう。現代の歌舞伎は立派になり過ぎました。狭い空間こそが相応しいように思われます。
勘三郎のテント歌舞伎大阪公演を先日見ました。これで2度目です。前回は「法界坊」、今回は「夏祭浪花鑑」です。テントの大きさが江戸歌舞伎はこのようなものであったことであろうことを想像させてくれます。観客に水はかかるは、本物の大阪城を書割に演じるはサービス満点でした。まるで学生時代に通った状況劇場の赤テントです。やはり演劇はこうでなければ。それでも、満席でしたから一回で1千万円くらいの興行収入はあるでしょう。赤テントももう少し収益があったら、もう少し続いていたように思います。
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