百十六話 競争を与えよ
日本の二人の化学者がノーベル賞をとり、ストックホルムの授賞式に出席されました。クロスカップリングとかなんとかいうのは、素人にはその凄さがさっぱり分かりませんが、このところの荒んだニュースの中で、久しぶりに明るい話題となりました。
その受賞された根岸教授(若い方の方)がVoiceという雑誌のインタビューで「日本の若者に競争を与えよ」と語っていました。自分たちの若い頃(たぶん30~40年前でしょうが)、今と違って日本に活気がみなぎっていたのは一つには競争があったからだといっています。また、教育の中で競争するという経験がとても大事とも。そういえば高専の息子がやっているロボコンの驚くような高いレベル(今年は二足歩行のロボットが人を乗せて競争しました)に至ったのも「勝つ」という単純な動機によるものでしょう。根岸教授も、競争をポジティブにとらえて成果に結びつけることができるのは若者の特権だと言っていました。
中小企業の人材育成も競争が大切と思われますが、ライバルが大勢いる大企業と違って、なかなかそうはいきません。工夫が必要です。また、競争以前に一定水準のスタートラインにつくために基礎学習も必要だったりします。競争と底上げがこれからの人材育成の大きなテーマとなりそうです。
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