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2011年5月 4日 (水)

百二十二話 エネルギー問題

 TVでもおなじみの環境学の武田邦彦さんが2009年に出版した「偽善エネルギー 」(幻冬舎新書) という本で、原発について次のような内容のことを書いています。「日本の原発は安全だが、安心できない。安全と言うのはチェルノブイリのような欠陥原発と違い、日本の原発はすべて軽水炉だからで、爆発を自動的に止められるからです。でも、安心でないのは、そ41vfhi67lfl__sl500_aa300_ れは『原発は地震で倒れる』からです。ほんとうは地震で倒れない原発をつくれるのにそうなっていないのには、二つの原因があります。一つは日本には優れた地震学者がいること。もう一つは原発の安全基準を官僚が作っているからです。地震学者は学者ですから、その時点でわかっていることしかわからない立場で、立地地域を詳しく調べて最大どのくらいの地震がくると結論します。その予測をつかって官僚は『地震に耐えられる設計になっています』と答えます。予測が間違っていたらどうすると言う問いに対して『最新の知識で判断する以外に方法はありません。それが一番安全です』と返答します。官僚の言い分はつまり、『地震学者が間違ったら、原子炉は倒壊する。そのときは付近の住民はあきらめてくれ』というものです」残念ながら、この本に書かれたことが今回、現実となってしまいました。そして武田先生は次のように続けています。「官僚は国民の命を守ろうとはしていません。彼らの行動の第一規範は『自分がいいわけできるかどうか』にあります」奇しくも、官僚のコントロールを公約に掲げた民主党政権下でこのような原発事故が起こりました。果たして民主党はそのような対応ができているといえるでしょうか。あるいは見失っていないでしょうか。日本の優れた技術力や現場力は世界が認めるところですが、これからの課題はなにか、この本が明確に教えてくれています。

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