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2011年7月

2011年7月31日 (日)

百三十一話 格安航空

 ANAが出資する関空を拠点とする格安航空会社(LCC)ピーチ・アビエーションが来春の新千歳、福岡、ソウル(仁川)の就航に合わせて客室乗務員の採用募集をしたところ、90人程度の採用枠に3925人の応募があったとのことです。40倍の競争率です。雇用が厳しい中、未経験でも高卒3年程度の就労経験はあれば応募できるという業界の中では異例の条件もあって、殺到したようです。給料は公表されていませんが、他のLCCがとりわけ低い訳でもありませんから、初任給としては業界標準並ではないかと思われます。ただし、身分は2年まで更新できる契約社員で、職務は一人で何役もこなすマルチタスクということですから、あまい条件ではありません。東京ディズニーランドと同様、若い人は処遇よりもやりがいがあり、誇りが持てる仕事を捜しているのでしょうか。
 2010年の国勢調査で、初めて工場従事者数を専門・技術職数が上まわりました。介護従事者などが増えたことと、生産拠点の海外移転の影響で工場従事者数が減ったことが大きいと思われます。円高、電気代の上昇など、まだまだ拍車が掛かりそうです。雇用の職業分類の比率は徐々に変わりつつあります。
 雇用を伸ばそうとすれば、LCCのように新しい事業分野か新しい土地へ会社や工場をもっていくしかありません。どちらも、待遇面ではシビアにならざる得ません。賃金やその他処遇の仕切り直しです。地方の工場等誘致先での賃金は明らかに下がっています。そうしないと、既存の雇用の延長のところでは、なかなか下げられないからです。新しい賃金水準と身分のしくみの企業が一定以上に増えたとき、日本の人事は新しい段階を迎えます。

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2011年7月24日 (日)

百三十話 ストーリーとしての競争戦略

 友人とは有難いものです。この本を薦めてくれたのは、上場の進学塾、開成グループの太田明弘代表です。そもそもビジネス戦略ノウハウのこの手の本は、謳い文句とは裏腹に内容はたいしたことがないというのが相場です。「この本『ストーリーとしての競争戦略(東洋経済新報社、楠木建)』が、今一番面白い」と、太田君から聞かなければ、500頁もある2800円の単行本を絶対に買わなかったことでしょう。
 それにしても面白い本で、読み応え充分ぶ厚いたいやきのしっぽまで餡子が詰まっている41wpcn5ck1l__bo2204203200_pisitbsti とはこのことです。「ストーリー」というだけあって、この本自体がよく構成されています。読み始めるとすぐに、広告に「話が長いのにはわけがある」とあったのに頷いてしまうことでしょう。これまでビジネス戦略の本といえば、海外のコンサル会社によるもので、アクションリスト、テンプレート、ベストプラクティス等々の解説書でした。それをバッサリ正面から純和製理論が切り倒しただけでもスカッとし、読む値打ちはあるというものです。
 新たなビジネスモデルで急成長した会社が、雨後の筍のように現れた二番煎じの競合他社によって、あっという間に儲からなくなってしまうというのはよく目にします。このような会社と長期にわたって業績を上げ続けるビジネスモデルとの違いは何かを、実に多角的に説得力を持って説明しています。マブチモーター、アスクル、ガリバー、スターバックス、アマゾンなど豊富な事例とその分析は圧巻です。持続的競争優位の正体は何か、一つひとつをケース・スタディの教科書として充分に参考になる書といえます。

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2011年7月15日 (金)

百二十九話 中途採用じわり増加

 政治の混乱を尻目に景気がじわりとよくなって来ました。通販大手の業績が総じて絶好調です。末端の消費が回復しています。節電も、もちろんマイナスに作用している会社もあるでしょうが、省エネ家電関連の売れ行きに貢献するなど、中小企業にも思わぬチャンスとなっています。
 景気が上向いてきたもう一つの証拠に、中途採用の求人数が伸びています。6月末時点で全月末比7.8%増(リクルート・エージェント)で、3ヶ月連続の伸びです。震災前の求人数を越えました。中途採用の中身はリクルートによると、専門職とともに営業職の伸びが顕著で景気の回復を裏付けているといえそうです。慢性的に人材不足といえる中小企業にとっては、早めに手を打っておいた方が良いかもしれません。

 今夏の中小企業の賞与は大阪の20人未満が大半という大阪市信用金庫のデータで支給しない割合、支給額とも近年では最低を更新しています。建設業と運輸がとくに足を引っ張っています。なかでは、小売が比較的良いことからも消費の回復が読み取れます。

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2011年7月 9日 (土)

百ニ十八話 天空のファミマ

  少しローカルなニュースですが、JRの大阪駅が5月に新装オープンし、大屋根のターミナル6p6080168_3や伊勢丹がやってきました。毎日通っている駅ですが、人は随分増えたように思われます。地階B1、B2のスイーツのフロアなどは東西の通路にもなっているせいもあって、混雑がいまだに絶えません。上階のレストランのフロP6130183_2 アも土日は、どこも並ばないと入れない状態です。JR西日本としては大当たりだったのではないでしょうか。いずれにせよ長い間、景気がぱっとしない関西に明るい話題であることは確かです。

 新装の駅の上、大屋根の直ぐ下が待ち合わせ場所の「時空の広場」(写真左上)です。ホP5250166 ームが見下ろせてなかなか気持ちの良いところです。洒落たオープンカフェがりますが、ホテル並みに高いので、待ち合わせる人を選んだほうが良いと友人が余計な忠告してくれました。2p6130181_2
 それよりもずっと上の階に「天空の農園」があり、その途中に映画館やレストラン街があります。そこは、テラスになっていて、そのフロアの端にコンビニのファミリーマートがあり、「ファミマ」と看板が出ています(写真右中)。つくりは周囲に会わせて洒落ていますが、値段は他のファミマと同じです。コンビニたるところです。ファミマで飲み物を買って、テラスのテーブルで飲んでいる人も大勢います。わたしも時々、原稿書きなど仕事に利用させてもらっています。カフェで寛ぐか、ファミマで癒すか、文化に幅が出てきましたし、JRも懐が深くなってきました。
 4p6130177_2 11階にあたるテラスから、開発中の貨物の大操作場が見えます(写真左下)。大P5250164阪の最後の大物物件といわれていますが、この敷地に何が来るのか、まだ全容が見えません。大阪の起爆剤となることを祈るばかりです。個人的には、周辺に散在してしまった有名大学を呼び戻せと、いいたいところですが。ちなみに、写真のカガミ張りの梅田スカイシティビルの向こうに弊社があります。

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2011年7月 5日 (火)

百二十七話 土日操業

 節電の影響で7月より、自動車製造業の業界は木金が休みで、その振替に土日が出勤となりました。大手メーカーだけでなく、関連する部品製造の中小企業まで歩調をあわせて、同様の操業日となっています。ジャストインタイムのトヨタ生産方式が浸透していることも一因です。
 裾野の部品業界まで合わせると、およそ80万人といわれていますから、影響は多大です。製造の一部で車部品を扱っているところなども操業をあわせざる得ないでしょうし、物流も同様でしょう。
 クルマは2万~3万といわれる部品点数ですから、かなり集積していて、メーカーをのもとに城下町ができています。町全体が変則シフト稼動となりそうです。休みがなくなる会社や商店なども、出てくるでしょう。
 どうみても、直接的にはほとんど関係が無いわたしどもの仕事ですが、この余波をうけて対象の関与先から、わたしどものコンサルも土日が予約されつつあります。思わぬ飛び火ですが、そう考えると、もっととんでもないところに影響が出ているかもしれません。

モンシュシュ金美花社長様から新商品のオリジナル・アイス「堂島アイスロール」が 110705_11410001届きました。早速、弊社スタッフで頂戴しましたが、たいそう評判よろしく、シンプル2011_7_05_2で上品な甘さのあの堂島ロールの生クリームの風味がアイスになった感じです 。センスの 良さ、商品づくりの上手さに感心してしまいます。商品力でPhoto前に進む、金 美花社長様の心意気が伝わってくるような気がします。社名の問題も商品の魅力には勝てません。むしろ社員の結束力をより高めたのではないでしょうか。

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