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2011年8月15日 (月)

百三十三話 人事の優先順位

 忙しいときには、とても人事なんかに手がまわらず、逆に時間がとれるような状態だと、受注の数字をつくるのに奔走して、やっぱり人事に手がまわらない。その繰り返しで、大事とはわかっていても、いつまでたっても人事が整備されず、そのことが人の定着率を下げ、仕事の質を低下させ、余計に現場を混乱させ、このジレンマを余計に加速てしまいます。結局、このような会社にとって人事の優先順位はそれほど高くはないのでしょう。でも、このような会社はけっこう多いものです。先日、ご相談の急成長する会社もそうでした。
 この場合の人事とは何をさすのでしょう。どうすれば給与があがる、昇格するなどの処遇の仕組みも一つでしょう。でも、早急に必要な人事とは、「人と仕事の管理」であることがほとんどです。それぞれに仕事をしているのですが、いわば、誰が何をしているのか、誰もよく分かっていない状態なのです。よくあるケースでは経営者も実務に携わっていて忙しく、代わって管理する人もいない場合です。急速に伸びた会社によくみられます。
 一時的にはこのような状態は伸びている会社の通過点で避けられませんが、このままだと、永遠に問題は解決されません。どこかで方向転換しないとなりませんが、伸びているときだと忙しい経営者には考える余裕もありません。
 解決方法は二つしかありません。自分の仕事を誰かに振って、管理の時間をつくるか、誰か管理者を入れるかです。けれども、往々にして人事の優先順位を軽んじる会社は「間接部門にお金を掛けたくない」のです。
 「人と仕事の管理」で「仕事の質」が高まることをどこかで気づくまで、残念ながら悪循環は続きます。

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