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2011年12月

2011年12月18日 (日)

百四十七話 中小企業の人材戦略

 中小企業では思うように人を採用できません。慢性的に採用難です。このような人材が欲しいと思ってもなかなか適いません。たとえば、技術系の新卒などはまず無理と考えた方がよいことになります。このところの就職難で、中小企業にもこれまでになかった学歴の者の応募があったりしますが、採用できる職種は限られています。そもそも中小企業の採用は大手企業の動向次第で大きく変わり、応募者の質は年によって凸凹になります。また、人数のキャパから毎年採用できるわけではありませんから、人材の構成は凸凹があたりまえとなります。大手企業のように、新人の質のバーを一定以上に設定することなど到底できないのです。ですから、中小企業の人材戦略は凸凹の人材をそれなりの戦力に育成するしかないのです。

 先日、TVの番組に漫画やフィギュアの中古品全国チェーンの「まんだらけ」を運営する社長の古川益三さん出ていました。「まんだらけ」には、カードゲームやフィギュアの値打ちを即座に鑑定して値段を即決できるが○○マスターが大勢いるとのことです。○○マスターとは確かにスペシャリストですが、カードゲームのことなら何でも知っているが他のことは何も分からない、いわばオタクの極みです。古川さん次のようなことを言っていました。「オタクはそのままじゃ、まったく役に立たない人材です。社員として役に立つまでに10年かかります。」と。

 中小企業の人材育成はこの「まんだらけ」が参考となります。一定以上の総合力が揃った人材は簡単には集まらないのです。他はもう一つでも何かしらに秀でた人材を採用し、会社という組織で力が出せる人材に教育することが必要となります。したがって、会社としては何よりも組織人としての基本指導を徹底することが原則といえます。

 

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2011年12月11日 (日)

百四十六話 いいわけ

 なかなかブログが更新できません。仕事が立て込んでいるためですが、12月だからではありません。つい先日、急に次の本の出版と原稿の締め切りが決まったからです。その締め切りが1月中旬です。お陰でいかに執筆の時間をつくるかに四苦八苦追しております。
 年明けに、円高を利用してイタリアへ中小企業を視察に行こうと思っていたのですが、原稿があがらなければ、断念することになります。どうもわたしは遅筆で、いつも出版社の編集の方にはご迷惑を掛けているのですが、今回は本当に余裕がありません。目途ががついて旅行に飛べても、どうやら、飛行機に原稿持込で校正にはいる公算が強くなって来ました。
 そんなわけで、当面ブログの更新はあてになりません。と、いいわけを先にしておきます。まあ、「烏兎怱怱」ということでご容赦を。

 

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2011年12月 4日 (日)

百四十五話 海外流出

 中小企業の海外進出がじわりと、しかし着実に進んでいます。多くは大手企業の海外進出に伴うものです。
 大手企業は海外との厳しい競争に生き残るために、競争できる良い環境を求めて海外へ拠点を移します。確かに、止まらぬ円高、高い人件費、規制が厳しくなりそうな雇用政策、不確かな電力供給の行くえなど、国内に留まる理由を捜すのが難しいくらいです。
 それと並行して、大手商社がこぞって海外の工業団地を拡張、開発しています。住友商事、双日ががベトナム、インドネシア、豊田通商もインドネシアなどに、物流も含めたインフラの整備をはじめ、大規模に力を入れています。
 海外進出はリーマンショックからの回復の兆しが見えはじめて以降、流れが大きくなり、震災でより加速した様相です。
 製造業の空洞化はこれから本番となりそうです。日本の産業構造が大きく変わってきました。TPPの議論でも、農業を含めた日本の産業をこれからどうして行くのかの視点が欠けています。産業をどうするか、これから伸びる国内産業は何か、目が離せなくなりました。

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