百六十一話 今年の昇給と採用
今年の春闘は各統計機関の予想と現在の推移から見て、昨年をやや下まわりそうです。厚生労働省の数字で昨年が昇給率1.83(昇給額5,555円)ですから、今年は1.7%台と予想でき、まさに定昇のみです。今期業績の良いところも結構ありますが、その分は昇給ではなく、賞与へという流れです。競争力を維持するにはこれ以上の賃金水準のかさ上げはないというわけです。そのことをよく表している例に日立があります。重電部門をもつ日立は業績好調ですが、定昇維持でこれから賞与の攻防となります。また業績好調にもかかわらず、13年度の新卒採用は3割減です。人を増やさないのではなく、その分、即戦力のキャリア採用を増やし、海外現地法人雇用を1万人増やします。流れが完全に変わったのです。足元の業績が好調な企業でも、定昇のみで組合と妥結しているのは、雇用が厳しいからです。これから組合は、春闘でも単に賃上げ要求に終始していると存在意義がなくなるでしょう。グローバルな時代の賃金がどうあるべきかを根本から考えないとならないはずです。
友人で現代彫刻家の大塚新太郎くんのオブジェ群がブルータス・カーサ3月号に紹介されています。シンガポールのコンドミニアムの庭園に置かれたものです。建物に非常にマッチしていながら、自立した存在感を感じます。発表のたびに作品が洗練されてきていますね。現代美術などはもともとグローバルですが、日本の優れた現代美術を世界に知らしめて欲しいものです。
ダイハツの業績が好調です。円高の影響をあまり受けていないのと、TVのCMが話題の第三のエコカーと いわれる、ミラ・イースが売れているからです。CMでブルース・ウィルスを喰っている、宣伝部長役の綿引勝彦さんの邸宅前に昔住んでいたことがあります。もう30年以上も前のことです。駐車場が一緒でしたので、寒い朝は寝起きの悪いわたしのスバルFF1に何度かブースター・ケーブルをつないで貰った記憶があります。現在と同様にあのドスのきいた強持ての容姿でしたが、随分と親切にして頂いたのを憶えています。
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