百六十五話 本の紹介2冊
「こころの医療 宅配便」( 高木俊介著 文藝春秋刊)は、関与先の仕事の関連で読んだ本です。逆に言うと、そんな機会がなければ、知ることもなかった本かもしれません。この本は、 精神の病、統合失調症について書かれた本です。読まなければ、この病気や実情について全く認識がないままだったといえるでしょう。読める機会を貰えるというのはありがたいものです。内容は京都にある日本初の在宅ケア専門の精神科医療サービスの実践記録ですが、読ませるのは、次の三つの点です。一つは、そのような精神科医療の往診が日本で存在し、経営的にも成り立つことが証明されていること。二つには、それが大変な苦労だと想像できるにも関わらず、主宰するドクターである著者はじめスタッフが使命感強く、前向きで明るく描かれていること。三つ目は登場する患者さんたちが実にいきいきと描かれていて、この本の主人公はこの患者さんたちとわかる点です。本の構成もとても上手く、重い難しいテーマを書いているにも関わらず、専門用語を使わず、わかりやすく、読みやすくできています。感心してしまいました。
もう一冊は、「成績不振、受験失敗、イジメ・不登校 起死回生の家庭教育」(幻冬舎刊)友人で進学塾の開成グループを経営する太田明弘社長の新刊です。塾経営一筋30年のプロが書いた子育てのノウハウ本で、渾身の家庭教育論となっています。テーマは一貫して、「今からでも遅くはない、けっして諦めてはいけない!」というものです。今や2万人を超える生徒を抱える名門校をひっぱて来たのですから、説得力が違います。悩み、迷える親たちにとって、光明をくれる手引書となっています。 太田くんのスピーチは天才的な上手さですが、とうとう執筆も始めました。もう、敵いませんね。
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