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2012年5月27日 (日)

百七十一話 人は変わる~その②「思い上がれ」

 その気になれば、想定以上の力を発揮する、いくらでも力が出てくる、と思うような事例にこれまでにも随分と遭遇しました。そのような事例から、「人は上から押さえつけなければ、限りなく伸びて、人材不足の中小企業でも、かなりの戦力を期待できる」とさえ、思うようになりました。
 たとえば、改善提案などを出させれば、よくわかります。ほめて、その気にさせれば、どんどん提案し、そのうち凄いのが出てきたりするものです。
 考えてみれば、幕末に日本をひっくり返して明治維新を起こした連中は、坂本竜馬や高杉晋作、桂小五郎をはじめ、ほとんど、20代後半から30代前半です。そんな若者が、世の中を分かっているわけがなく、皆、自分が「日本をしょって立つ」と「思い上がっていた」連中なはずです。
 でも、当時もそうであったように、上司や会社はそんな連中になかなか任せたりはしないものです。すぐに優れた面よりも、アラを捜したくなるものです。組織とはそういうもので、結果、中小企業はどうしても小さくバランスしてしまいがちになります。
 でも、現在の幹部も会社ができたての頃を思い起こせば、自分が会社を背負って立つと思い上がっていたのではないでしょうか。それが、会社が整ってくると、会社は会社らしくこうあるべきと思いがちになります。成功した中小企業の落とし穴かもしれません。
 そのような落とし穴から抜け出す方法は、二つ。一つはトップのリーダーシップ、もう一つは、部下の管理の方法を変えてしまうしくみにすることです。

 
 

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